イネの大百科

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農山漁村文化協会から「イネの大百科」という本が出版されました。小学高学年〜高校が対象ということもあって、写真や図が多くまたカラーで掲載されています。内容もわかりやすくまとまっているので、勉強になります。

「省力化と水田フル活用 大規模化にむけた技術」のページでは、ドローンを使った生育調査ということで、私の写真を掲載してもらいました。ありがとうございます。

イネの大百科(引用:農山漁村文化協会サイト)

 


除草剤散布(2018年)

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田植えから1週間程度過ぎると、株間や条間に雑草がちらほらと発芽してきました。

雑草発芽

 

昨年は雑草に悩まされた圃場もあったので、散布前に圃場内の水位に注意しました。使用している「コメットジャンボ(水稲用一発処理除草剤)」は水溶性の袋に入っているため、水位がある程度ないと、十分な範囲に広がっていきません。昨年は水位が低かったことで、除草剤の効果にばらつきが生じてしまったかもしれません。

散布するには十分な水位

 

あらかじめ作成した散布地点マップを見ながら、予定地点まで圃場を歩き、散布しました。毎年、圃場内に入って散布しているのですが、せっかくドローンがあるので、これからはドローンによる散布ができないか検討していきます。今年は国土交通省の申請には時間的に間に合いませんでしたが、来年はドローンによるピンポイント投下ができるようにしてみたいです。自作ピンポイント投下機は、そのうち紹介します。

 

【使用農薬】

・コメットジャンボ(1反あたり1袋300g) :7袋

 


田植え(2018年)

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朝6時ぐらいまで雨が降っており、田植えを行うか悩みましたが、7時ぐらいから天気が回復してきたので、試験サイトを含む6反分の田植えを行いました。

今回は米の研究を行なっている濱氏(千葉大)が参加しました。実際に田植えを行い、一連の作業の流れを覚えてもらいました。4条植えの田植機なので、6反だけでも丸一日かかります。

まずは、育苗用のビニールハウスから軽トラに設置した苗箱ラックにどんどん置いていきます。1回の移動で64箱運ぶことができます。以前はベニヤ板を荷台に置いて運搬していたので、何回も圃場とビニールハウスの往復をしなければなりませんでした。苗箱ラックは年に1回の利用ですが、非常に役に立っています。

苗箱の運搬

 

次に、田植機に苗を乗せる前に、いもち病対策の「ルーチンアドスピノ箱粒剤」を約50(g/箱)をムラなく降っていきます。

ルーチンアドスピノ箱粒剤の散布

 

準備が整えば、田植えの開始です。昨年は株間を21cmに設定しても収量は減少しなかったので、今年は全ての圃場の株間を21cmに設定しました。植えた直後は見た目がスカスカしているので、周辺の圃場と比べると少し寂しい感じです。今回は全体の半分を濱氏にお願いしました。田植機の操縦が初めてとは思えないくらい上手に植えてもらいました。ありがとう!

田植機初操縦

 

また、今年は機械植えとは別に、職場でお世話になっている方(どろーん米のお得意様)の家族みなさんで手植え体験を行いました。自分の手で植えたお米は格段においしいと思いますよ。

収穫は9月中旬頃になります( ◠‿◠ )!

 

【使用農薬】

・ルーチンアドスピノ箱粒剤(育苗箱1箱50g) :6袋

【使用肥料】

・コシヒカリ一発 LP485(35~40kg/10a) :11袋

 


結果:均平精度(2018年)

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試験サイトでは、代かきを行った後に泥が沈着するまで待ってから、水を落とし土壌が見える状態になるようにしています。これは、代かき後の圃場を測量するためです。
3年間実施していることもあって、近所の農家さんから不思議がられることもなくなりました。

代かき後のオルソ画像(2018年5月18日撮影)

 

圃場の北側では、ほんの少し水が残っています。一方、南側(明るく写っている部分)は水が抜けています。圃場にいくつかの線条の跡が残っていますが、これは鳥などの足跡になります。畦畔を超えて、隣の圃場(北側)までつながっています。

水がある程度なくなった状態で、ドローン計測による圃場の均平精度(凹凸の定量化)を求めました。その結果、2018年は均平精度:1.2cm・最大高低差:5.1cmとなりました。過去最高の結果です(といっても5回しかデータはありませんが・・・)。
過去の記事にも書きましたが、移植栽培で目標とする均平精度は標準偏差:1.8cm・最大高低差:9.0cmが目標値となっています(農林水産省)。

下に2016~2018年の代かき後の圃場凹凸マップを示します。

ⅰ) 代かき後の凹凸マップ(2018年)

 

ⅱ) 代かき後の凹凸マップ(2017年)

 

ⅲ) 代かき後の凹凸マップ(2016年)

 

2014~2018年における均平精度の変遷

 

試験サイトの均平精度は、2014年が標準偏差:2.6cm・最大高低差:10.2cmに対して、2015年は標準偏差:1.8cm・最大高低差:7.5cm、2016年は標準偏差:1.4cm・最大高低差:6.1cmとなり,年々圃場内の高低差は小さくなっています。トラクターの操縦経験を積むことで、技術が身についてきているのかもしれません(^_^;)。なお、2014年・2015年は代かき前のDSMを用いて計測を行っています。2016年以降は代かき後の高低差を精確に求めるために、代かき直後に圃場内の水を抜いた状態で空撮を実施しています。

 

【参考】

2014~2017年までの均平精度と玄米タンパク含有率との関係を、濱ほか(2018):UAVリモートセンシングおよび登熟期の気象データに基づく玄米タンパク含有率推定 にまとめています。

 


論文賞受賞

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2014年のモニタリング成果をまとめた「田中・近藤(2016):小型マルチコプターを用いた近接リモートセンシングによる水稲生育マップ作成」が日本リモートセンシング学会の論文賞を受賞しました。この研究が評価されたことは、大変うれしく思います。

 

2014年はモニタリング1年目ということもあり手探りな状態でしたが、自分のタイミングで上空から得られる情報に大きな可能性を感じました。現在は、モニタリング5年目ということもあって様々な問題点を改善する力もつき、安定した運用ができていると考えています。ただ、栽培に関しては自然の影響を大きく受けるので、わからないことも多々あり、日々勉強といった感じです。そこが農業の楽しさでもあるかもしれません。

ドローン水稲モニタリングを論文としてまとめるのがゴールではなく、モニタリングを長年継続して情報を蓄積することが美味しいお米の栽培につながると考えているので、これからも引き続き、頑張っていきます!!

 


代かき(2018年)

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4月に圃場の凹凸を計測した結果、概ね均平化されていることがわかったので、今回は代かきによる大幅な土壌の移動は実施しませんでした。そのため、代かきの作業時間は去年の半分ぐらいでした。

代掻きの様子(2018年5月14日撮影)

 

トラクターを運転していると、どこからか小さい鳥(ムクドリやハクセキレイなど)たちが飛来してきます。この小鳥らは、トラクターが土を耕すことで逃げ出すカエルやミミズなどを捕食しています。それにしても、大きなエンジン音にも驚かずにトラクターの後ろを一緒に歩きながら効率的にエサを取るので、人間の生活環境に慣れていますね。

捕食中のムクドリ

 

ここ数年、5月ぐらいになるとヘリコプターが低空飛行で自宅周辺を通過していきます。写真では遠近感を上手く表現できませんが、突然のヘリコプターの接近は少し驚きます。調べてみると、ヘリコプターによる送電線の点検のため、低空飛行しているそうです。近い将来には、有人ヘリからドローンへ移行していくのでしょうね。

ヘリコプターによる送電線点検

 

 


水漏れ

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水の供給が始まって、試験サイトの給水バルブから少量の水漏れが発生しました・・・。

水漏れトラブル(2018年4月14日撮影)

たまに、管にゴミが詰まってバルブの止弁を完全に締めることができなくなり、水が漏れることもあります。その時は、一旦止弁を開けて、水圧でゴミを取り除いていたのですが、今回は違いました。何度やっても解決せず・・・。

とりあえず、バルブの分解です。

部品の破損やゴムパッキンの劣化

 

バルブを分解してみた結果、止弁が割れていました。原因は経年劣化?、締めすぎによる破損?・・・よくわかりません。とにかく、割れてしまっていたら、水漏れしてしまうのも納得です。応急処置として、自宅にあった癒着テープなどで割れ目を防いでみました。応急処置としての効果はありましたが、数日経ったら水漏れが再発生(修理前より水は減ったのですが)。

 

その場しのぎの対応では無理なので、メーカーから部品を取り寄せました。バルブの名称がわからず、ネット上で探すのに手間取りましたが・・・何とか発見。マサル工業:田畑兼用形給水栓/MH型フィールドバルブ TSタイプ50H-100型

部品到着後、さっそく修理に取り掛かりました(修理時間は約10分)。

部品を取り外したら、水が勢いよく噴出

 

部品を交換して、水漏れは解決。

修理完了

 

これで中干しもきっちり行えます。

 


田植え機点検

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田植え機は、年に1日だけの使用ですが、この機械が動かないと短時間で移植するのは不可能になります。

例年、代掻きを行う前のGW中に点検を実施しています。
使用後は念入りに洗車しているので、泥による駆動系のトラブルの心配はないのですが・・・。

心配していたバッテリーによるトラブルが発生してしまいました。年に1日しかエンジンをかけないので、スターターが起動せず、バッテリーがあがってしまっていました。
きちんとバッテリーメンテナンスをすればいいのですが、ついついサボってしまったのがいけません。

画面左下側(フタが開いた状態)に写っているのがバッテリー

 

自動車のバッテリーを連結して、エンジンをかければいいのですが、今回は家庭用コンセントから充電できる機器で行ないました。

1時間ほど充電したら、エンジンは起動しました。そのあとは、バッテリーを回復させるために1時間のアイドリングで点検は終了です。

バッテリー充電器(家庭コンセント用)

 


水稲株位置抽出(QGIS)

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水稲株の位置抽出は、移植後1ヶ月の状態(草丈35cm程度)がデータ取得のベストとなります(株間によってベストな草丈は変わります)。草丈が低いと上空から撮影しても、苗が明確に撮影できないため、株位置の抽出は難しくなります。一方、草丈が高くなると、葉同士が重なってしまい、株位置がわからなくなってしまいます。この作業は、モニタリングのタイミングが一番重要になります。

株位置の抽出方法は、以前の記事(水稲株の位置抽出欠株率)でも紹介しましたが、問い合わせも多かったので、QGISの操作について説明を加えます。※QGISのバージョンによって、説明が若干異なる場合もあります。

 

1) 近赤外カメラ撮影画像の表示

近赤外の波長域は植物からの反射は強く、水面の反射はほとんどないため、苗と水面を明確に判別することができます。

反射特性(引用:JAXA)

 

近赤外オルソ画像

 

近赤外オルソ画像を表示したら、ローパスフィルタ処理を行います。ローパスフィルタは、苗と水面以外に写っているノイズを除去する工程になります。ノイズが少なければ、ローパスフィルタ処理を行わなくても構いません。

 

2) ローパスフィルタ処理

【QGIS】 ビュー > パネル > ツールボックス > GRASS GIS > Raster > r.mapcalc

ローパスフィルタの計算式

 

上図のように、3×3の窓で平滑化していきます。数値を変更することでノイズ除去の程度を変えることができます。

 

3) フォーカル統計(指定した近傍内の統計情報を計算)

【QGIS】 ビュー > パネル > ツールボックス > GRASS GIS > Raster > r.neighbors

フォーカル統計のパラメータ入力画面

 

3) ラスタ-ベクタ変換

【QGIS】 ラスタ > 変換 > ポリゴン化(ラスタのベクタ化)

ラスタ-ベクタ変換

 

※処理時間がかかる場合は、圃場外部分の画像を削除するなど、画像サイズをなるべく小さくしてみてください。

 

4)不要ポリゴンデータの削除

ラスタ-ベクタ変換によって、値ごとにポリゴンデータが作成されます。このポリゴンデータには、水稲株以外も含まれています。そこで、ポリゴンデータのDN値(フォーカル統計の数値)を使って、不要ポリゴンを削除します。このときのDNの閾値は、カメラ種類や撮影条件などによって異なるので、画面を見ながら値を自分で見つけ出してみてください。

黄色が水稲株として選択(DN110以上)したポリゴン、黄緑色はそれ以外のポリゴン

 

5)ポイント化

【QGIS】 ベクタ > ジオメトリツール > ポリゴン重心

ポリゴン(重心) → ポイント

 

ノイズを取り除いた水稲株のポリゴンからそれぞれの重心を求め、その位置を水稲株として扱うことができます。

水稲株位置(赤)

 

この一連の処理は、データサイズが大きいオルソ画像を用いるため、非力なPCだと時間がかかったり、処理途中に落ちることもあります。その場合は、データを分割するなどの工夫が必要となります。

 


育苗箱

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1週間前に水に浸した種籾は、夏のような暑さによってハト胸程度まで催芽したので、次は種蒔きの作業に移ります。昨年はこの状態になるまでには10日間かかりました。

ハト胸程度まで催芽した種籾

 

この状態になったら、水切りを行います。手に種籾が引っ付かいない程度まで乾燥させます。

その間に、育苗箱を準備します。年々、育苗箱の数を減らし、今年は111箱(計算上では101箱ですが、不測の事態に備えて1割追加)になりました。

育苗箱の土を均平にする際には、10mmの深い方を使用

 

2018年は、2014年と比べると作業量および資材購入をかなり減らすことができました。
記録を見直してみると、当初は育苗箱(予備も含めて)を150箱用意していましたが、2018年では111箱まで減らすことに成功。箱数は移植する際の株間の間隔で決まります。栽培している6反を複数年かけながら、16cm→18cm→21cmのように徐々に広くすることで、箱数を減らしました。結果的には、箱数を減らしても収量は減らず、反対に増加しています。

※株間をいきなり広げるのはなかなか勇気がいるので、時間をかけての変更です。農業は1年1回しか栽培できないので、栽培方法を変えるのはどうしても慎重になります。

育苗箱と収量の関係

 

培土1袋(20kg)が約800円、種籾(4kg)が約4000円なので、代替りしてから「育苗の準備」だけで約15000円のコストカットです。

 

さて、育苗箱の準備が整えば、次は播種になります。

ばらまき機の前で準備する子供たち

 

この作業を効率的に進めるには、最低3人必要です。1人目は回し手,2人目は育苗箱の搬送,3人目は育苗箱の準備です。今年からは長男が回し手として参加しました。貴重な戦力です。

 

播種後は、ビニールハウスに搬入です。これからは田植え(5月19・20日予定)まで毎日水やりを行い、苗を育てます。

搬入後のビニールハウス内部

 

*こういった1年に1回の作業だと、手順などを忘れていることが多々あるので、記録を取るのは大切ですね。今回も過去に書いた記事に助けられました。