収量予測

平成最後の収穫

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2018年の栽培期における天候は、一言で言うと「猛暑が続いた年」でした。8月末から9月上旬になると、台風20号(Cimaron)の接近・ゲリラ豪雨によって、この地域は瞬間的に強風・大雨が襲いました。その影響で、圃場内の一部のイネが倒伏程度3(出穂期2週間前の倒伏リスク診断でリスクがあった箇所)になりましたが、この程度であればコンバインによる作業には全く問題はありません。

 

下図は、2014~2018年の移植日から収穫日までの積算日照時間になります。図からわかるように今年の天候は例年と比べて日照時間が大きく外れています。本当に暑かったです。

(アメダス:鳩山地点を用いて作成)

2014~2018年の移植日から収穫日まで積算日照時間

 

収穫時における2018年の積算日照時間は例年の約1.3倍となりました。ちなみに、2017年も出穂期までは2018年と同様な空梅雨・猛暑でしたが、8月に入ると途端に冷夏となり日照不足となっています。

 

さて、4年間の水稲モニタリングで得たNDVIによる収量予測の結果では、今年の収量予測は2017年(471kg/10a)と比べると減収になりました。収量予測は出穂期のNDVIと前年までに得た地上サンプルとの相関式で求めます。4年間分のパラメータがあるのですが、今年はどのパラメータを用いても減収予測でした。その理由は、2018年の出穂期のNDVIが前年比85%と低かったためです。

 

NDVIのみ
収量予測:462kg/10a

 

共同研究者でもある濱ほか(2018)の論文では、NDVIと日射量(コシヒカリの場合は出穂期から20日間)を用いて収量を予測するモデルを示しています。そのモデルによる収量予測は増収となります。

 

濱モデル
収量予測:488kg/10a

 

今年の収穫結果は・・・ 498kg/10a で増収となりました。農家としては嬉しい結果ですが、研究者の立場からだと外れてしまった・・・という感じです。また、今年の収量は世代交代してから初の反収あたり8俵を超えることができました。この地域のコシヒカリの目標は8俵(JAいるま野広報誌2018年3月号 pp.5)なので、満足な結果です。

ドローン導入からのコシヒカリ収量(10a当たりの精玄米重量)およびタンパク質含有率の結果

 

ドローン導入から5年目で30%の増収になりました。籾摺り → 袋詰め → 冷蔵管理までの一連の作業は終わりましたので、まもなく2018年度産「どろーん米」をネットショッピングで販売開始いたします。

 


意外な結果!?

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収穫の時期になると集落のあちらこちらから「ピーピーピー」と音が響いてきます。音の正体はコンバインの動作音なので、この音を聞くと稲刈りに向けて気持ちがソワソワしてしまいます。

先日、2017年産「どろーん米」の収穫が何とか終了しました。台風18号(TALIM)が来る前に刈り取れたので、一安心です。

こうべを垂れる「どろーん米」

 

しかし、今年は使用しているコンバインの調子がすこぶる悪く、JAさんに何回も修理を依頼したりと予定通りにできませんでした。修理をお願いしたら、すぐに対応してくれるJAさんには感謝です。ありがとうございます。

刈取りは、「コンバイン → 乾燥機 → 籾摺り → 袋詰め」 が一連の流れとなっているので、この工程でどれかひとつの農機具が故障してしまうと、作業全体がストップしてしまいます。故障が長引いてしまうと、稲刈りの適期を逃してしまう可能性があります。現代の農業は如何に機械に依存しているか身をもって実感しました。

 

さて、2017年の収量ですが、事前予測では8月の日照不足のため、3反の試験サイト圃場の収量は玄米収量1180kg(推定値の約20%減収)としていましが、意外な結果となりました。

 

試験サイト全体の精玄米収量 : 1440.0 kg (465kg / 10a)

※未熟米 :110.2 kg

 

日照不足の影響はそんなに大きくなかったのか、2016年の精玄米収量 : 1437.5kg とほぼ同量の結果となりました。事前予測で求めた日照不足の影響を考慮に入れていない推定値 1474 kg(粗玄米)の方が良い結果を示しています。

(2017年度の精玄米収量+未熟米) / 2016年度の収量予測式(粗玄米) で求めると誤差が5.2%となりました。

日照時間が多く、気温が高い状態が続いた2016年のパラメータが冷夏の場合にも使えるとは思っていなかったので、ますます水稲モニタリングの難しさを感じます。

 

未熟米に分類された玄米

 

※2017年は日照不足の影響によって未熟米が例年より多くなりました。そこで、未熟米と分類された玄米を再度ふるいにかけたところ、110.2kgのうち14.1kgが精玄米として再分類されたので、その分は「2ndチャンス米」として、自宅で消費します。

 


収量予測・・・減収の見込み

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8月に入ってから、オホーツク海高気圧からの「やませ」が関東地方まで流れ込んでいるため、埼玉県も日照不足となっています。東北の太平洋側(岩手県、宮城県、福島県)では、平年を大きく下回っていることから、いもち病の心配があるそうです。

試験サイト周辺の日照不足を定量的に見るために、最寄りのアメダス地点:鳩山の日照時間を8月1日~20日までまとめてみました。今年の8月1日~20日間の日照時間は36.1時間と平年の34.5%と大きく下回っています。出穂期からの日照時間は収量・食味に大きく影響します。気象庁によると8月下旬からは平年並みに戻る見込みだそうなので、晴れることを祈ります。

     8月1日~20日までの積算日照時間(2014~2017)

 

今年も収量予測をしてみました。使用するのは7月30日の出穂期のデータになります。ただし、生育が順調に進んだ出穂期のデータなので、それ以降の日照不足を反映していません。そのため、ここで推定する値は日照不足がなかった場合の値になります。ちなみに、平年並みの日照時間があった2016年の収量結果はこちらから閲覧できます。

【使用するデータ】

・ドローン計測によるNDVI(2017年7月30日撮影)

・単位面積あたりの収量とNDVIの相関式(2016年データの解析結果)

収量(kg) = 2016年度のパラメータ × メッシュごとのNDVI

試験サイト全体の玄米収量予測 (ドローン): 1474 kg

 

8月の日照不足を考慮にいれると、この求めた推定値(玄米収量1474kg)の約20%の減収(玄米収量1180kg)になると考えています。

今年の収量から解析して得られる「単位面積あたりの収量とNDVIの相関式」は冷夏用のパラメータとして、今後の栽培に活かせるはずです。農業技術が進んでも、天候次第で収量・品質が大きく左右されるのは昔から変わりません。

 


収量計算確定(2016年)

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先日掲載した地上サンプリングからメッシュごとに単位面積あたりの玄米重量(g/㎡)を求めました。

単位面積当たりの玄米重量は、メッシュ内の株数・1株当たり平均茎数・1穂あたりの玄米重量から計算できます。

求めた玄米重量とNDVI(出穂期)の回帰分析から線形回帰式を求めます。

 

以下の式は、収量予測に用いた推定式になります。

【2014年】

Y = 968.42 × NDVI – 33.50

【2016年】

Y = 1822.2 × NDVI – 341.43

Y:単位面積あたりの玄米重量(g/㎡)

 

2016年推定式で計算した収量分布が下図になります。

2016年収量推定

収量マップ(2016年)

 

8月中旬に予測したマップと比較すると,分布傾向は似ていますが,多くのメッシュで数量が異なりました。

 

ドローン予測

収穫1カ月前に予測した収量マップ(2016年)

 

※収穫1カ月前に予測した収量マップ(2016年)は、2015年の推定式を用いて作成しています。

 

収量検証(2016年)

計算で求めた収量:1461 kg

実際の収量:1437.5 kg

 

この結果から、2016年の推定式は1.6%の誤差で推定玄米収量を求めることができました。

2014年は5.3%の誤差がありましたが、年々精度は向上しています。

 


収量結果(2016年)

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2016年の収量は10a当たり465 kgとなりました。圃場全体では、1440 kg(屑米を除く)です。
ドローン水稲モニタリングを始めて3年目になりますが、1年目と比べると収量は約20%の増加になりました。また、お米の美味しさの指標となる玄米タンパク質含有率も2015年では約6.1%と日本人が好むやわらかいご飯になっています。2016年はこれから分析です。

ちなみに、一般的な玄米のタンパク質含有率は6.8%とされており、タンパク質含有率が低いほどやわらかいご飯となり、数値が高いとしっかりとした硬いご飯となります。

 

収量

ドローン水稲モニタリングの成果(2014-2016)

ドローン水稲モニタリングの導入1年目は、これまで行っていた「勘と経験」の水稲栽培の問題点を洗い出しました。2年目以降は浮かび上がった問題点を改善するような栽培を行うことによって、収量・食味の向上に結び付けることができました。収量・食味UPにつなげるためには、単年だけではなく、複数年のモニタリングが必要です。

 

収穫前に予測した収量(8月19日)は、地上観測による予測1520kg、ドローンによる予測1570kgでした。地上観測の予測値が実測と近い結果となりましたが、両者とも約10%の誤差の範囲内に収まっています。

ドローンによる予測は、2015年のパラメータをそのまま利用したのが誤差を大きくした要因ではないかと考えられます。
今年は株間(16cm→18cm)を変更した影響も考えられるので、様々な状況下のパラメータを取得することによって、今後の予測精度の向上を図りたいと思います。

 

農作業も一段落した農閑期は、2016年のモニタリングで得たデータを詳細に解析する期間です。

 


収量予測

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収穫まで約1ヶ月を切りました。

今回は2つの手法で2016年度の収量を予測してみたいと思います。

どのぐらい一致するかは未知数なので、楽しみです。

 

まず、株数・茎数から収量を予測する方法です。

【使用するデータ】

水稲株の位置から計算したメッシュごとの株数

茎数 : 週一モニタリングで実施中のデータ

・1穂当たりの玄米重量(g/穂) : 昨年の収穫時に計測したデータ

 

収量(kg) = メッシュごとの株数 × 茎数 × 1穂当たりの玄米重量

茎数 = 20.3 本(2016年8月4時点)

1穂当たりの玄米重量 = 1.50 g(水分15 %)

問題点は全株を同じ分げつとしている点で、生育のばらつきを考慮していないところです。

 

地上観測予測

試験サイト全体の玄米収量予測(地上観測) : 1520 kg

 

次に、ドローンモニタリングで計測しているNDVIを用いた収量予測方法です。

【使用するデータ】

・ドローン計測によるNDVI(2016年8月4日撮影)

・単位面積あたりの収量とNDVIの相関式(昨年のデータ)

収量(kg) = 昨年度得た係数 × メッシュごとのNDVI

 

ortho(20160804)

8月4日撮影のオルソ画像

NDVI(20160804)

8月4日撮影のNDVI画像(暖色:植生活性が高い、寒色:植生活性が低い)

ドローン予測

試験サイト全体の玄米収量予測 (ドローン): 1570 kg

 

答えは1ヶ月後です。

データは速報値なので、今後の詳細な解析で変更することもあります。