除草剤散布(2019年)

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初期除草剤「コメットジャンボ」を散布しました。散布といっても、30gに小分けにされた水溶性の袋を圃場に向けて投げ入れるだけです。

田植えから2週間、何もしないと条間・株間に雑草が目立ってきます。去年は例年より早く田植えから1週間ほどで雑草が発芽したので、除草剤も早めに投下しました。

コメットジャンボを投げ入れるにあたって、事前にすることは水位を5~6cmぐらい高くします。以前、水位が若干低い状態で投下したため、除草剤の効果を最大限高めることができませんでした。また、風が強い日の投下することも効果を低くすることの要因であることを身を持って経験しました。2017年はこれらの要因が重なったためか、雑草(イヌビエ、クサネムなど)取りで本当に苦労しました。

このような経験を踏まえて、1時間ごとの天気予報を判断材料に投下日時を検討しました。この時期は夕方から朝までは比較的無風な状態が続くことが多いので、3枚あるうちの2枚の圃場では夕方から散布しました。

コメットジャンボの拡散

 

コメットジャンボは水に入れてから約10秒後に溶け始め、中身の除草剤が放射状に拡散していきます。大体7~8mぐらいの範囲まで広がります。

 

田植え(2019年)

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さぁ、メインイベントでもある田植えがやってきました。ビニールハウスの苗も順当に生育し、草丈15~20㎝まで伸びました。

順調に成長したコシヒカリの苗

 

最近、田植えは空間認識力がいる作業でもあるなぁと思っています。どれだけ効率的に、そして人の手を煩わせず、圃場の四隅まできれいに植えることができるか考えると・・・なかなか難しい問題です。

毎年やっている作業ですが、これぞっという自分にあった方法が今だに見つかっていません。今年は事前にネットで調べてみるとyoutubeで公開している四隅まで植える田植えの手順があり、その方法を参考にしてみました。

移植する前に、出入口の反対側から田植え機のマーカを両方に伸ばして状態で圃場を一周し、ガイドラインを印していきます。これで4条植えの機械が2周できるスペースができます。

次に、土につけたガイドラインを目印に田植えを始めていきます。圃場の中は特に問題なく運転できますが、終盤の周回では気を使います。

苗が一列植わっていない失敗例

 

今年は例年よりは上手くできた感触を得たのですが、失敗もありました。機械のトラブルです。途中で苗をジャムってしまい、一列何も植えていない状態になってしましました。機械に乗っているとなかなか後方のことに気づくことが遅れてしまいます...今後は注意しないといけませんね。対策として、田植え機にバックミラーを取り付けてみようかと思います。また、代かき後に圃場を干しすぎてしまったので、一部の場所でしっかりと苗が刺さらないところもありました。

今年の田植えはいろいろと学びました。

 

結果:均平精度(2019年)

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いろいろとが業務に縛られ、更新が怠ってしまいました。先月の内容になりますが・・・

今年も代かきが終わりました。事前にトラクターのエンジンオイルも取り替え、快調な作業でした。浅水代かきを実施した結果、代かき後の水位は低く、泥も予想以上に早く沈着しました。圃場内の水は1日おいたら透明です。

そこからは、例年行なっている均平度のチェックです。2014年から比べると均平度の精度は毎年良くなっています。2019年の結果は以下のようになりました。

代かき後のオルソ画像(2019年5月17日撮影)

 

代かき後の凹凸マップ(2019年)

 

2014~2019年における均平精度の変遷

 

ただし、今年は問題が発生しました。代かき後の天気が良すぎた結果、いつも以上に圃場を乾きすぎてしまい、一部の土が固くなってしまいました。今までは固くなる前に田植えを行なっていたので、問題ありませんでした…。それにしても今回の件は不覚でした。来年以降への教訓です。

浅水代かき

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2019年5月号の現代農業では、浅水代かきで浮きワラを防ぐことができるという記事がありました。代かきについては、先代から浅水がよいということだけを教えられていたので、その理由について深く考えず行なっていました。よくよく考えてみると、今まで代かき後に浮きワラのかき出しを行ったことがありませんでした。

今回の現代農業の記事をよく読んで、 浅水代かきの理由について納得しました。

代かきを行う直前の状態

 

パッと見た感じは水が十分に入っていないかと思われるかもしれませんが、この状態で問題ありませんでした。土の上には昨年のワラが残っている状態です。

 

ワラが残っていても、浅水代かきをする事でワラを埋没させることができます。

凹凸マップを見ながら代かき中 

 

見た目水が無い状態であっても、代かきをすることで水が見えてきます。


水入れ

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圃場を均平にするための重要な作業「代かき」の時期がやってきました。圃場の凹凸を目で見てはっきりわかるのは「水を入れた時」です。周囲より土が高ければなかなか水が入りません。一方、低いところでは水がどんどん溜まっていきます。

2017年に設置したライブカメラで今年の水入れを確認してみます。ちなみに、現在の様子はこちらから見ることができます。

【タイムラプス】水入れの様子(2019年5月10日〜11日)

 

このあたりの圃場は、川からポンプで取水した水が供給されています。夜間はポンプが停止するため水は出ません。上図の動画は2日間に渡って水を入れているので、夜間に水が一旦引いた状態から再度水が入っている状態が映っています。

代かき前の凹凸マップ(色は1cmごとに設定)

 

画面の右側(2)が最後まで水が入っておらず、また画面の左側(1)が水がたまっていることから、(2)が高く(1)が低いことがわかります。

ライブカメラの画像

 

今回は圃場の半分ぐらいまではほぼ均等に水が入りましたが、後半にかけて水の偏りが生じてしまいました。

凹凸マップをトラクターに貼って、凹凸を少しでもなくすために、代かき開始です。

 

田植え機準備

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10連休中のGW期間は、特にやらなければいけない農作業はありません。私のところでは、例年通りにこの時期は田植え機のメンテナンスを行いました。

最近は、この周辺でもGWに田植えを行う圃場が増えてきています。GWの長期休暇を使って移植しても、買い取り先であるJAのカントリーエレベータが稼働していないので、従来通りに農作業を進めます。


メンテ中の田植え機

 

1年間放置していると前輪の空気が抜けてしまうので、ロードバイク用に購入した空気入れで補充します。通常の空気入れだとコネクタの部分が一致しません。

ロードバイク用に購入した空気入れ

 

空気を入れたら、田植機を動かして異常音の有無などの確認を行いました。機体をよく調べてみると、肥料の投下口の奥側で肥料が固結してしまったところがありました。長年の利用で固結した肥料は使用済み歯ブラシで清掃してもなかなか取れず、 苦労しました・・・。

ビニールハウスに移動してから2週間

 

種蒔きから約2週間後の苗の状況です。発芽不良などは見られず、コシヒカリの苗は順調に生育しています。

一方、埼玉のお米の栽培シェア率がトップとなったブランド米「彩のきずな」を栽培する農家さんもいます。しかし、今年は近所数軒ほぼ同時に「彩のきずな」の発芽不良が発生してしまいました。ベテラン農家さんでもこのような状況になるので、コシより育苗が難しいのではと感じました。まだ、コシから彩のきずなの品種変更は様子見です。


種蒔き(2019)

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今年は水に浸した種籾は、ちょうど1週間でハト胸程度に催芽しました。水から出した種籾は、種蒔きの機械に詰まらないように表面の水分を飛ばし、乾燥させます(外に2~3時間乾燥)。

乾燥中の種籾を見守る子供たち

 

例年催芽するまでバラつきがあるので、過去のブログの記事をまとめてみました。埼玉県の水稲に関する技術情報では、浸種日数の目安は水の平均温度(℃)×日数(day)=100℃・day(例:水温15℃で7日間)とされています。

水温データがないので、ここでは温度を最寄りのアメダス地点(鳩山)の日平均気温を採用しました。塩水選を行った種籾は24時間薬液漬による種子消毒を行います。消毒終了後は井戸水を大型バケツに入れて浸種します。この方法は2015年から変わっていません。

表 催芽までの日数と積算温度の関係

栽培年2016201720182019
積算温度(℃・day)129.3126.1119.5101.4
催芽までの日数
水の交換毎日毎日中2日中3日

 

これらの結果から水の交換タイミングによって、催芽するまでの積算温度に違いが生じていることがわかりました。催芽するまでの水は常に新鮮なものでなければならないと教えられたので、2017年までその教えを実践していました。しかし、毎日交換しなくてもいいという情報を知ってしまったので、今年は中3日のタイミングに変更しました。日中に暖められた水を使い続けたことが催芽を早めた要因の一つではないかと考えられます。

種籾が乾燥したら、育苗箱の準備をしていきます。2018年は111箱(計算上では101箱ですが、不測の事態に備えて1割追加)を設定しましたが、実際に使ったのは101箱だったので、今年は箱数を減らして106箱を準備しました。

育苗箱と収量の関係

 

2018年に作成した育苗箱と収量の関係のグラフですが、2018年収量と2019年育苗箱の結果をそれぞれ更新しました。育苗箱を減らしていっても収量には影響を与えていないことがわかります。現在の田植機では株間を最大で21cmまでしか設定できないので、106箱より育苗箱を減らすことは難しそうな感じです。そのため、現在の栽培方法では10aあたり約18箱が下限かも知れません。

ばらまき機で播種した育苗箱はビニールハウスに搬入します。

ビニールハウスに搬入した育苗箱

1週間後には均一に発芽

 

今年の田植えは5月18・19日を予定しております。

 

塩水選 (2019年)

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2019年の水稲栽培、動き始めます!!
今年も昨年同様に育苗用のビニールハウスの整地を行った後で塩水選・籾消毒を行いました。

トンボを使ってビニールハウス内を整地

育苗用のビニールハウスは朝から近所の農家さんと一緒に整地し、下地となるビニールを二重に敷いていきます。所々に穴が空いてしまっているので、そこはガムテープで補修していきます。作業は2時間程度で終了しました。終了後はお茶タイムですが、その時にベテランの農家さんから、農業始めてからいろいろ工夫して頑張っているね〜とお言葉いただき嬉しかったです。ちょっとだけ認められたかもしれませんね。

来年はポールカメラでビニールハウス内を撮影し、事前に凹凸マップを作成してから作業できるようにしたいと思いました。


午後からは種籾の塩水選です。用意するのは、種籾(16kg)、バケツ(40L)、塩(5kg)、ザルです。下図は塩水選後に行う種子消毒のセットも写っています。

塩水選&種子消毒セット

20Lの水をバケツに用意し、塩5kgを入れます。あとは塩が完全に溶けきるまで混ぜていきます。そうすると、うるち米の選別にちょうどいい濃度になります。

塩水選用の溶液に卵を入れた状態

濃度がちょうどよいと上図のように卵は横向きになって浮きます。卵が縦向きや水中で浮いてしまった場合は塩分濃度が低いので、塩を追加する必要があります。

選別した種籾には塩分が付着しているので、よく水で洗います。洗った後は、種子伝染性病害(いもち病、ばか苗病など)の発生を防ぐために、消毒液に24時間漬け込みます。24時間後に消毒液からたっぷり入った水に入れ替えて、発芽するまで水を交換(2日に1回のペース)しながら待ちます。
消毒剤は従来から使っている「テクリードCフロアブル(クミアイ化学)」と「スミチオン乳剤(クミアイ化学)」を使用しました。

以前は種籾6袋(24kg:6反分)を注文していましたが、株間を16cm→21cmに変更したことによって育苗箱を減少でき、 2017年から5袋にコスト削減させました。 それでも、2018年は種籾が余ってしまってスズメたちの餌になっていたので、さらに1袋減らし、4袋にしました。種籾代も高いので少しでも節約です。

排水口再整備

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以前からほんのちょっと排水口から水が漏れることがありました。なので、農作業が本格的になる前に圃場の再整備を行いました。

我が家の圃場の排水口の位置は畦畔より若干前側に設置されているため、先代達がトラクターで排水口を傷つけ、いろいろと破損させていました。

排水口の位置( 試験サイト )

そこで、排水口について調べるために周辺の土を取り除いてみると、漏水の原因が判明しました。驚いたことに、φ150の塩ビ管にφ100のエルボが取り付けられていたのです。

再整備前の排水口
 

もちろん、ピッタリ合いません。いろいろと漏れないように先代達の工夫した跡はありましたが…わずかな隙間から漏れ出していました。このあたりでは、φ150の 塩ビ管 は大きなホームセンターに行かないと手に入りにくいことが多いので、 φ100で試行錯誤したと思われます。

今回の再整備は2箇所の圃場で、それぞれの環境に合うような排水口を選びました。一つは畦畔の側面に合うような排水口で、水位が調整できるものです。今まではビニール袋に土を入れた簡易土のうで管理していたので、今回の整備で少し進歩をしました。

排水閘(150型)
 

もう一つは、これも水位調整できる排水口ですが、鉛直方向の塩ビ管自身を上下に動かして高さを調整します。

ER型 自在排水筒 

若干、圃場の高さと一致しなかったため、畦畔に埋めらている塩ビ管全部を掘り起こし、高さを調整し直しました。

一応、これで漏水問題は解決です。

スマート農業では、水位調整の自動化の動きもありますが、圃場は生産者の工夫に満ちているものなので、一概に給水口・排水口の標準化は大変なのではと今回の一件から考えさせられました。


ピンポイント投下機

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農業分野でのドローンの利活用のひとつに農薬・肥料散布が挙げられます。しかし、農薬・肥料を散布できるような大型ドローンは安くても100万円以上はします。第2種兼業農家の私としてはそのような資金もないので大型ドローンによる散布ではなく、いつも使っているモニタリング用のドローンのカメラ搭載部分を取り外して、ピンポイントに投下できる装置を考えました(紹介するのが遅くなりましたが・・・)。

通常使用しているモニタリング用のドローンのペイロードは約500gなので、その制限内で開発しなければなりません。

材料は自宅にあったCD‐Rのケースと使用していないサーボがベースになります。ピンポイント散布を考えているのは、初期除草剤である「コメットジャンボ」です。コメットジャンボの効果は300g/10aとなっており、30gずつに水溶性の袋でまとめられています。軽量である袋をドローンで運搬し、ピンポイントで投下できるようにします。

ピンポイント投下装置

本当に簡単な改造ですが、CD‐Rのケースから袋が落下できるように少し大きめの穴を開けます。また、内部は1袋ずつ落下できるように仕切りを設けます。仕切りの中心部の軸を360度回転できるようにサーボと連動するように接着させます。

通常、サーボは一定範囲の角度内で動作します。つまり、一方向を無限に回転することはできないようになっています。そこで、サーボを分解して、ストッパの部品を取り除き、その部分を接着剤で固定させると、一方向に回転するようになります。そして、回転スピードの調整はプロポ側で行ないます。参考サイト

まだ問題点が多々ありすぎて、5月の本番で使えるかわかりませんが、少しずつ改善していきます。

ちなみに、国土交通省航空局にオンライン申請した結果、2営業日で連絡をいただきました。資料の追加などのやり取りも含めて実質7営業日で申請が完了しました。航空法が改正した当初は1ヶ月間程度の時間は必要だと聞いていましたが、現在は自作機であっても特に問題なく迅速なやり取りが可能となっています。