ポールカメラによる凹凸計測

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日本の農地上空には、送電線が多く存在しています。残念ながら、私の圃場上空にも送電線があります。

送電線の下にある圃場(紫線)

背景画像:地理院地図

そのため、送電線がある圃場では、安全面を考慮するとドローンによる水稲モニタリングを実施できません。上空からモニタリングできるツールは、ドローン以外にも高所作業車による撮影などがあります(サタケ:圃場生育診断システム「アグリビュー」)。ただ、零細農家にとってモニタリングのたびに高所作業車をレンタルすることはできません。

そこで、今回はポールカメラ方式を採用しました。

ポールカメラは中田ほか(2009)を参考にして、測量スタッフ(約7m)とRicho GR(インターバル間隔を5秒)を用意し、撮影を行います。

 

ポールカメラ撮影のイメージ(場所は圃場ではありませんが…)

 

7mのスタッフに約250gのカメラを取り付けると、スタッフはしなってしまい、上手く扱うには力が必要になります。また、風が吹くと測量スタッフがもっていかれてしまい、同じ場所にとどめるだけでも大変です…。

ポールカメラで撮影するためにはノウハウも必要ですが、改正航空法で飛行制限があるDID地区付近でもモニタリングできるので、ポールカメラは有効なツールだと思います。また、ポールカメラは墜落の心配もありません。

 

青い四角はポールカメラの撮影推定位置

ポールカメラによる3Dモデル(送電線下の圃場)

中田 高,渡辺満久,隈元 崇,後藤秀昭,西谷義数,桜井元康,川口 雄作:地形調査のための簡易高位置撮影装置 (Hi-View)の開発,活断層研究,31,pp.39-43,2009.

 

モニタリングの現状と課題

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近年、日本の農業は農業用ロボットやICT技術を駆使して生育管理を行う精密農業の導入が各地で進んでいます。ドローン分野では、2016年に農薬散布ドローンが続々と農林水産航空協会の認定を受けており、2017年から各地で運用されている姿を見ることができると思います。また、これと同時にドローンを活用して、農作物の生育管理を行う会社も増えてきました。

従来、上空からの農作物モニタリングは、衛星・航空機(有人機)によるリモートセンシングが行われてきました。衛星による農作物モニタリングは一度に広範囲(約100kmの範囲)の情報を取得することができます。広範囲を管轄する組織であれば、有効なツールになります。実際に青森県では、「青天の霹靂」や「つがるロマン」はブランド化され,販売されています。

しかし、衛星モニタリングにも課題があります。

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種蒔き&育苗ビニールハウス搬入

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1週間、種籾を水に浸けていましたが、予想より発芽が遅かったので、浸種してから10日後に育苗箱に種蒔きを行ないました。

 

発芽した種籾(ハト胸程度:1~2mm)

昨年同様に130箱(6反分)の育苗箱を用意します。

 

育苗箱に培土を均一する様子

準備が整えれば、手動の播種機を使って、上図の育苗箱の培土の上に種籾を均一に播種し、覆土していきます。

そのあとは、ビニールハウスに搬入し、育苗していきます(25日程度)。

 

育苗箱搬入終了

今年の田植えは5月20・21日を予定しています。

 

2017年水稲栽培始動

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いよいよ、2017年の水稲栽培に向けて、動き始めます。

まずは、育苗用ビニールハウスの準備を近所の農家さんと行いました。この日は最高気温は27.4℃と平年と比べると+8℃で、初夏の陽気でした。

育苗用ビニールハウスの整地が終わってからは、種籾の「塩水選」で中身の詰まった良い種子を選別します。

 

塩水選作業の準備

去年と同様に、塩5kg・水20lを用意して、濃度20%(約比重1.13)の塩水を作っていきます。

食塩水作成中

種籾を食塩水に投入していきます。軽い種籾は浮き上がるのでザルで取り除き、沈んだ種籾のみを使用します。

昨年は、6反分の24kgの種籾を購入し、塩水選で約20kgに選別しました。しかし、種籾がかなり余ってしまったので、今年は例年より少なめで行います。

2017年:種籾20kgを購入

塩水選による選別を終えた種籾は、水稲の種子伝染性病害(いもち病、ばか苗病など)の発生を防ぐために種子消毒(24時間薬液漬)を行います。

種子消毒剤は「テクリードCフロアブル(クミアイ化学)」と「スミチオン乳剤(クミアイ化学)」を使用しました。

 

【使用農薬】

・テクリードCフロアブル(1成分):殺菌剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤200ml)

・スミチオン乳剤(1成分):殺虫剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤40ml)

種子消毒

農作業に使用する水は、井戸の水(地下約30m)を使用しています。

井戸の水温は、深さ10mになると温度の年変化がほとんどなくなるため、その土地の年平均気温とほぼ同じとされています。最寄りのアメダス地点(鳩山)の年平均気温は約15℃なので、水温は年間を通して15℃前後になります。

種籾が発芽するために必要な積算温度(水温×日数)は100℃・dayとされています。そのため、この地域では浸種を行なったら、1週間後に種蒔きになります。

【カメラ】インターバル撮影改造

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【カメラ】改造近赤外カメラでは、市販カメラを近赤外カメラに改造する方法を説明しました。

今回は空撮に必要なシャッターを自動的に切るインターバル機能を説明します。

この機能なくしてモニタリング撮影は始まりません・・・(最近は高解像の4K動画からでもモニタリングはできそうです)。

インターバル機能がないカメラで空撮を行う場合には、物理的なシャッター機構を取り付ける必要があります。

 

 自作シャッター機構(遠隔操作対応)

 

比較的安価で市販されているコンデジに、標準機能でインターバル撮影ができるカメラは一部に限られます。

ここでは、インターバル撮影可能にするロシアン・ファーム(ロシアで開発されたソフトを使った裏技)を紹介します。

ロシアン・ファームで改造できるカメラは、Canon製のカメラです。

改造といってもカメラ本体を物理的に改造するのではなく、SDカードに「CHDK(Canon Hack Development Kit)」というソフトを書き込みます。

 

CHDK(Canon Hack Development Kit)

このソフトは、Canon製のコンデジ本体のファームウェアを一時的に書き換えるもので、いわばカメラの機能を乗っ取るという裏ワザです。

なお、通常(ソフトを書き込んでいない)のSDカードを入れ直したらカメラは元の状態に戻ります。

 

CHDKの起動の仕組み

 

CHDKソフトはここからでダウンロードできます(無料)。

 

このソフトによって、標準機能には付いていない

・インターバル撮影
・RAW画像の撮影
・シャッタースピード設定
・オセロ など

 

魅力的な機能を追加することができます。

 

コンデジ画面でオセロ対戦

 

ただし、最近販売された機種の多くには対応していません。
CHDKのサイトで公開されている型番は欧米仕様の名称となっているので、日本仕様の名称と異なります。

 

改造近赤外カメラなどは「月刊地理2016年11月号 地理で使える低空撮ガイド⑥」でも紹介しています。

 

詳しい設定方法の説明は Read the rest of this entry »

果樹

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先日のセミナーで果樹のせん定が重要だということを知りました。

果樹のせん定は、日当たりや風通しをよくすることで病気の発生を防ぎ、収量や品質の安定性を確保する大切な技術です

ただし、せん定は誰もがすぐにできる作業ではありません。まずは、ベテラン農家さんのせん定技術を見ることから始まります。

 

今回はSfM-MVS技術でイチジクの樹(自宅近くにある)を3Dモデルにすることができるか試してみました。

 

自宅近くにあるイチジクの樹

ドローンを用いた上空からの撮影及びポールカメラ撮影ではなく、地上から樹を中心に撮影を行いました。

今までの経験から、細い枝等はモデルにならないと思っていましたが、意外と上手く作成することができたのに驚きです。

撮影位置の特定とモデル

イチジクの樹の点群データ

どのぐらい細い枝まで対応できるかは今後の課題です。また、果樹に適した撮影方法を見つけないといけないかもしれません。

画像をクリックすると別サイトが開きます。

将来的には高精度の果樹の構造モデルを3Dプリンターで出力することで、新規就農者はせん定の技術を磨くことができると思います。さらに、着色できる3Dプリンターを利用することで、ベテラン農家さんが持つ高度なノウハウをより習得しやすくなるかもしれません。

圃場均平化(2017年)

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以前、このブログでも紹介した「セミナー(ドローンの農業活用とセンシング・モニタリング技術)」も先日終了しました。

私の予想以上に多くの方々に受講していただき、ドローンによるモニタリングの注目の高さを実感しました。

セミナーでは、水稲以外にも畑作や果樹等に利用したいとの声がありました。いろいろと話をしていると、作物によって欲しい情報が異なり、その情報には需要があることを知ることができたので、私自身の勉強になりました。

 

3月に入ったので、そろそろ2017年度の栽培に向けて、圃場の均平化とドローン計測を実施しました。

 

ドローンによる計測

 

圃場の西中央部が高く、排水口がある東側が周囲に比べて低くなっているので、代かきを実施するまでの約2ヶ月間で地道に土を移動させ、均平化を目指します。

 

点群データを表示できるサイトがありましたので、ドローン計測に用いたデータをアップしました。

 

画像をクリックすると別サイトが開きます。

任意の地点から点群データを表示できるほかに、地点計測(高さも含む)や距離計測も行えます。ただし、計測機能はサイトに会員登録する必要があります。

 

大館:東光鉄工

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私の農閑期は、講演や見学などでドローン農業の情報取集や人脈を広げる時期になっています。

先日、秋田県大館市に本社がある東光鉄工で開催された「農林水産業ドローン研究開発コンソーシアム」に、外部オブザーバーとして参加してきました。

 

大館駅

自宅からは大宮~新青森~大館ルートで約5時間です。

 

この事業は、秋田県からの委託で実施されています。秋田県ではドローン特区なども設置されているので、ドローン産業に非常に力を入れていることが伺えます。

東光鉄工は農薬散布ドローン(農林水産航空協会認定)をはじめ、機体製造や空撮等のサービスを提供している日本のドローン産業の中では名の通った会社になります。

 

本年度の最後となったコンソーシアムでは、水稲・果樹・牧草のモニタリングや農薬散布ドローンの自律散布飛行の開発状況について報告がありました。

現在、農薬散布ドローンの自律散布飛行は禁止されています。市販されているドローンの飛行精度がm単位であるため、自律散布飛行の禁止は仕方がありません。誤って隣の圃場に農薬を散布しないようにするためにも高精度に位置を把握する技術を導入しないといけません。このような技術が確立すれば、近いうち(数年の間)に規制緩和されるのではないかと思います。

今回報告のあった東光鉄工の次世代農薬散布ドローンは、既にcm単位で自律飛行できるような機体・ソフトウェアが開発されているのに驚きました。ドローン(自律飛行)の離着陸地点が数十㎝ずれるという課題があり、これを数㎝までにするとのことで開発者の意気込みを感じました。

ちなみに、私が実施しているモニタリングではm単位で十分です。

 

A.H おめでとう!!

宮城県古川農業試験場

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ブログを通して依頼があった宮城県古川農業試験場でモニタリングの講演とドローンの実演を行いました。

今回は、普及指導員として活躍されているプロの方々の前での講演でしたので、緊張しました。
ドローンの実演は、あいにくの雨で体育館でのデモフライトとなりました。
(屋内での飛行は初めてだったので、慎重な操縦を心掛けました)

全体を通して、指導員の方々といろいろと意見交換が出来たり、農薬散布ドローン(丸山製作所)の講演もあったので、自分自身とても勉強になりました。

有意義な時間でした。

 

講演の様子

宮城県は、2018年秋から宮城のプレミアムブランド米「だて正夢」(特徴:食味の良さと「もっちり」した粘りの強さ)の販売を予定しているそうです。
全国各地でブランド米の競争が激しくなっていますが、北海道・東北地方は激戦地区となっています。

農業機械展示会

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1月28日・29日は埼玉県加須市のJAが経営する遊園地「むさしの村」で第56回農業機械大展示会がありました。

今回は、情報収集をメインに参加しました。

 

農業機械大展示会入口(2017年1月28日撮影)

埼玉県内のJAが主催ということもあって、大勢の農家さんが来場していました(平均年齢は高めです)。

 

大手農機具メーカも出展していて、見応え満載でした。その中でも、日本ニューホランドの大型トラクターの展示は、来場者の注目を集めていました。

 

デザイン性の高いヤンマーのトラクター

 

NEW HOLLAND (T7.225)

全長:5.4m 全幅:2.5m 全高:3.1m  価格約2,400万円

 

今年からは丸山製作所から農薬散布用ドローンのデモ飛行・展示がありました。問い合わせが多く、カタログはすぐになくなってしまったそうです。

こういう展示会でドローンを見ると、着実に普及していることを実感しました。価格は230万円とまだまだ高額なので、私のところでは当面の間は動噴で農薬散布です。

 

丸山製作所ドローンのポスター

農薬散布用ドローン(MMC940AC)

機体はエンルート製です。