格安RTK‐GNSS機器の製作 ‐その3‐
前回までの紹介でM8T基板の改造も終わり、今回はアンテナまわりの準備と外に出て位置計測を行います。格安RTK‐GNSS機器の製作の紹介は今回で最後になります。
今回使う機材
ステンレス鍋蓋 | 百均で購入。 |
一脚・三脚 | アンテナを固定するために使用。 |
モバイルバッテリー | 基板の電源。ケースに収まる大きさでOK。 |
4)グランドプレーンの作成
宇宙から到達する人工衛星の電波は強くありません。また、この電波は反射する特性があります。そのため、地面からの電波反射は位
百均で売っているステンレス鍋蓋
5)一脚・三脚
改造した基板・アンテナは、一脚・三脚で固定します。固定局は計
基板・アンテナより一脚・三脚の方が価格が高くなったのはちょっと複雑な感じです・・・。
連続計測中の移動局
6)位置計測
ようやく準備は終了です。モバイルバッテリーを取り付けて、屋外で計測してみましょう。
私は自宅裏に固定局・移動局をそれぞれ数時間設置してみました。計測が終われば、データ解析になります。microSDに保存されたテキストファイルを用いて解析します。解析に使うソフトは「RTKLIB」(この分野では非常に有名なオープンソフト)です。私もその恩恵にあずかります。
RTKLIBの操作方法は多くの人が詳しく情報を提供しているので、このサイトでは省略します。農研機構では、小型GNSS受信機を用いた高精度測位マニュアル(ドローン用対空標識編) を公開しています。今回紹介している格安RTK-GNSS測量についてまとめられているので、大変参考になるマニュアルです。
日本では、国土地理院が全国に約1300ヶ所の電子基準点(24時間連続にGNSSによる観測を行っている地点)を設置し、観測データを公開しています(データのダウ
自宅裏に設置した固定局と電子基準点を用いて、解析してみたら誤差1cm以内に収まる精度で位置計測することができました。
この技術を使えば、いろんな場所でcm単位の高精度な位置計測をすることが可能です。数年前では個人でRTK-GNSS測量というのは考えられませんでしたが・・・農業分野においても画期的な技術になりそうです。すばらしいっ!!