Month: 4月 2018

育苗箱

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1週間前に水に浸した種籾は、夏のような暑さによってハト胸程度まで催芽したので、次は種蒔きの作業に移ります。昨年はこの状態になるまでには10日間かかりました。

ハト胸程度まで催芽した種籾

 

この状態になったら、水切りを行います。手に種籾が引っ付かいない程度まで乾燥させます。

その間に、育苗箱を準備します。年々、育苗箱の数を減らし、今年は111箱(計算上では101箱ですが、不測の事態に備えて1割追加)になりました。

育苗箱の土を均平にする際には、10mmの深い方を使用

 

2018年は、2014年と比べると作業量および資材購入をかなり減らすことができました。
記録を見直してみると、当初は育苗箱(予備も含めて)を150箱用意していましたが、2018年では111箱まで減らすことに成功。箱数は移植する際の株間の間隔で決まります。栽培している6反を複数年かけながら、16cm→18cm→21cmのように徐々に広くすることで、箱数を減らしました。結果的には、箱数を減らしても収量は減らず、反対に増加しています。

※株間をいきなり広げるのはなかなか勇気がいるので、時間をかけての変更です。農業は1年1回しか栽培できないので、栽培方法を変えるのはどうしても慎重になります。

育苗箱と収量の関係

 

培土1袋(20kg)が約800円、種籾(4kg)が約4000円なので、代替りしてから「育苗の準備」だけで約15000円のコストカットです。

 

さて、育苗箱の準備が整えば、次は播種になります。

ばらまき機の前で準備する子供たち

 

この作業を効率的に進めるには、最低3人必要です。1人目は回し手,2人目は育苗箱の搬送,3人目は育苗箱の準備です。今年からは長男が回し手として参加しました。貴重な戦力です。

 

播種後は、ビニールハウスに搬入です。これからは田植え(5月19・20日予定)まで毎日水やりを行い、苗を育てます。

搬入後のビニールハウス内部

 

*こういった1年に1回の作業だと、手順などを忘れていることが多々あるので、記録を取るのは大切ですね。今回も過去に書いた記事に助けられました。

 

塩水選 (2018年)

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4月中旬の週末は、育苗用ビニールハウスの準備を近所の農家さんと行います。今年も台風による氾濫によって、ビニールハウス内の地面は多くの箇所で凹凸が生じていました。

地面整備

 

トンボかけで地面の凹凸を均していきます。整備が終われば、ビニールを2重にして敷きつめていきます。

作業終了

 

最後は、真ん中に苗を運ぶ2輪車が通りやすくするためにロールマットを敷きます。

 

ビニールハウスの作業後は、種籾の「塩水選」で中身の詰まった良い種子を選別します。例年同様に、塩5kg・水20lを用意して、濃度20%の塩水を作ります。

塩水選&種子消毒セット(2018年:種籾20kg購入)

 

種籾を食塩水に投入し、軽い種籾をザルで取り除いていきます(子供たちの作業)。

種籾選別中

 

塩水選による選別を終えた種籾は、水稲の種子伝染性病害(いもち病、ばか苗病など)の発生を防ぐために種子消毒(24時間薬液漬)を行います。

 

【使用農薬】

・テクリードCフロアブル(1成分):殺菌剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤200ml)

・スミチオン乳剤(1成分):殺虫剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤40ml)

 

【参考】

種籾は少し変わった縫い方(ミシン縫い)のメッシュ袋で届きますが、袋の開け方を知らないと手間取ります。初めての時は手間取りました。このミシン縫いはハサミなどの道具を使わなくても開けることができます。参考までに。

ミシン縫い袋の開け方

 

手順1:ミシン縫いの袋は、赤糸と白糸で結ばれています。手順2:赤糸を引っ張り、白糸の輪から徐々に抜いていきます。手順3:赤糸を抜いたら、残っている白糸を引っ張って抜きます。手順4:袋を開けることができます。

 

現代農業(5月号)

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2018年5月号の現代農業では、「ドローン&近赤外カメラで空から管理(下)」というタイトルで近赤外カメラを自作するという内容を書きました。

現代農業(2018年5月号)

 

ブログでも紹介している内容に改造時の写真とウンカ被害の空撮画像(鹿児島県伊佐市の若手農家さん撮影)を追加しています。

今月号の現代農業で興味深い記事がありました。農機メーカー突撃取材ヤンマーアグリ(株)編の中で、リモートセンシングなど先進的な技術の導入を対象としている農家規模は、20町歩以上の面積を耕作する農家だそうです。しかし、20町歩以上の面積となると、家族経営の農家では導入は難しいですね。ビジネスとして費用対効果を考えると仕方がないかもしれません。

 

農閑期の圃場計測

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2018年度の栽培に向けて始動です。

昨年の秋に「すき込み」をしてから、久しぶりのトラクター運転になります。

田起こし作業の前に、ドローンによる圃場計測を行いました。ドローンは農閑期にメンテナンスを施し、いつでも飛行できるように準備をしていたのですが、GCP用のマーカーが色あせているのに気づいてしまいました・・・。

再塗装前後のGCP用マーカー

 

上図の右側はドローン水稲モニタリングを始めてから使用しているマーカーです。長年使用していると色があせたり、剥がれたりしてしまいます。この程度であれば、上空から撮影しても特に問題ないのですが、気分一新ということで再塗装し直しました(下図参考)。

上空50mから撮影したGCP用マーカー(左:2018年3月31日撮影 右:2017年9月9日撮影)

 

昨年のブログを見直してみると2月中旬に田起こしをしていたので、今年は少し遅い始動となります。まずは、田起こしの前に圃場の状態をドローンを用いて計測しました。

圃場凹凸マップ(田起こし前:2018年3月31日撮影)

 

最近は、圃場の均平化に力を注いでいるので、そこまで気になる凹凸はありませんでした(圃場の四隅やトラクターの出入り口を除いて)。この作成したマップは、運転席に貼って凹凸の位置を意識しながら田起こし&均平化を行いました。

圃場凹凸マップ(田起こし後:2018年4月1日撮影)

 

上図は作業後の凹凸マップです。マップを見る限り、そこそこ良い感じであると思います。これなら今年の代かきはそんなに作業時間がかからないかもしれません。ベテラン農家さんの「この圃場の均平化は3~4年かかるよ」のアドバイスの通りで、この状態になるまで時間がかかりました。

 

ドローン水稲モニタリングも今年で5年目の節目を迎えます。これからも「どろーん米」の作業記録を兼ねた情報を発信していきたいと思います。

 

相棒(ドローン、トラクター)