Month: 9月 2016

収量結果(2016年)

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2016年の収量は10a当たり465 kgとなりました。圃場全体では、1440 kg(屑米を除く)です。
ドローン水稲モニタリングを始めて3年目になりますが、1年目と比べると収量は約20%の増加になりました。また、お米の美味しさの指標となる玄米タンパク質含有率も2015年では約6.1%と日本人が好むやわらかいご飯になっています。2016年はこれから分析です。

ちなみに、一般的な玄米のタンパク質含有率は6.8%とされており、タンパク質含有率が低いほどやわらかいご飯となり、数値が高いとしっかりとした硬いご飯となります。

 

収量

ドローン水稲モニタリングの成果(2014-2016)

ドローン水稲モニタリングの導入1年目は、これまで行っていた「勘と経験」の水稲栽培の問題点を洗い出しました。2年目以降は浮かび上がった問題点を改善するような栽培を行うことによって、収量・食味の向上に結び付けることができました。収量・食味UPにつなげるためには、単年だけではなく、複数年のモニタリングが必要です。

 

収穫前に予測した収量(8月19日)は、地上観測による予測1520kg、ドローンによる予測1570kgでした。地上観測の予測値が実測と近い結果となりましたが、両者とも約10%の誤差の範囲内に収まっています。

ドローンによる予測は、2015年のパラメータをそのまま利用したのが誤差を大きくした要因ではないかと考えられます。
今年は株間(16cm→18cm)を変更した影響も考えられるので、様々な状況下のパラメータを取得することによって、今後の予測精度の向上を図りたいと思います。

 

農作業も一段落した農閑期は、2016年のモニタリングで得たデータを詳細に解析する期間です。

 

出荷

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注文いただいた「どろーん米」を発送いたしました。

注文していた米袋も届き、今年は下の写真のようなデザインで出荷いたします。

 

出荷用どろーん米

平成28年どろーん米(5kg)

米袋はお米の水分を保ち、乾燥による重量の変化を防ぐ保湿タイプを使用しています。

 

 

新聞掲載

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2016年9月15日の日経産業新聞に千葉大学近藤研究室との共同研究であるドローン水稲モニタリングの取り組みが掲載されました。

 

20160915_日経産業新聞

 

籾摺り&袋詰め

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コンバインで刈り取った籾は乾燥機で水分15%まで落としていきます。条件によって異なりますが、乾燥時間は大体6~8時間程度です。

*刈り取った籾は約26%の水分がありました。

乾燥させた籾は、籾摺り機に移します。籾摺り機では、籾殻と玄米に分別します。また、小粒や未成熟の玄米は出荷用には適さないので、この段階ではじかれます。

 

乾燥機&籾摺り機

左側が乾燥機、右側が籾摺り機

出荷用の袋は1袋30kgになります。ちなみに、1俵は2袋分の60kgになります。

袋詰め終了

今年の成果(手前側はどろーん米、奥側はJA出荷用)

今年の収量は、約93袋(2817.5kg)でした。くず米も合わせた総量は2977.5kgとなります。

予想した収量の答え合わせは、後日紹介します。

どろーん米新米

どろーん米(コシヒカリ) 新米

一通りの作業が終わった日の夕食は、収穫したばかりの「どろーん米」を美味しくいただきました。

稲刈り

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10日・11日は雨が降らなかったので、予定通り稲刈りを実施することができました。

 

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収穫直前の稲

 

収穫の流れは、コンバインによる稲刈り → コンテナで乾燥機まで移送 → 収穫した籾の乾燥 → 籾摺り → 袋詰め になります。

乾燥機に張り込みできる量が決まっているので、乾燥機の様子を見ながらの稲刈りになります。

我が家の圃場は、ドローンによるモニタリングを行っている試験サイト(約3反)とそれ以外に1反と2反の圃場があるため、毎年2日以上の日数がかかります。

 

試験サイトの刈り取り

試験サイトの刈り取り

 

完全に倒伏してしまった稲(品質低下している)はコンバインによる刈り取りは難しいので、事前に鎌で刈り取り、コンバインとは別にしました。

 

倒伏箇所の稲刈り

倒伏箇所の稲刈り

コンテナ投入

コンバインからコンテナに移す作業

昨年は収穫直前の氾濫によって収穫時は土埃が大変でしたが、今年は冠水してから雨が多かったので、籾についていた土などは洗い流されて、土埃はそれほどひどくありませんでした。

 

コンテナ籾

コンテナ内の籾

 

コンバインの調子があまりよくなく、JAに連絡したところ、10~20分後には現場に来てもらいました。このあたりのサポートはさすがですっ!!

収穫は天気との相談なので、すぐにサポートしてもらえると安心して作業を行えます。

 

倒伏進行中・・・

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前回の記事から「どろーん米(コシヒカリ)」の倒伏が進んでしまいました。

倒伏リスク診断でリスクありの箇所が中心です。診断が当たったのはよかったのですが...ちょっと複雑な心境です。

週末(10・11日)の稲刈りまであと僅かの時間ですが、台風13号(MALOU)の接近が心配です。

 

9月3日に実施したモニタリング結果を紹介します。

20160903

2016年9月3日撮影 オルソ画像(紫線は倒伏エリア(軽度~重度を含む))

倒伏(160903)

倒伏リスク診断マップに倒伏エリア(160903時点)の重ね合わせ

倒伏リスクが高い赤色を中心に、重度の倒伏傾向が見られます。

ハート型に倒伏

上空50mからの撮影画像:ハート型倒伏

(クリックすると大きい画像が開きます)

倒伏リスク診断

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コシヒカリは稲穂が垂れやすく、倒伏しやすい品種になります。そもそも、倒伏は稲穂が地表面に着くほど倒れる状態を指します。倒伏して、稲穂が地表面の水に着いてしまうと,収量の低下や機械による収穫困難、食味の低下などの問題が生じ,生産者にとっていいことはありません。

そのため、倒伏のリスクがある箇所については,事前に倒伏軽減剤の散布や倒伏前に刈取りを行うなどの対応が必要となってきます。

コシヒカリは、草丈が幼穂形成期で70cmを越える場合,または出穂13~14日前で84cm以上であると,倒伏のリスクが高まるとされています(水稲栽培管理情報:JA金沢市版)。ただし、この数値については、埼玉県でも用いることができるかは検討の余地はあります。

下の倒伏リスク診断マップは、「出穂14日前のDSM-代掻き直後のDSM」から計算した図です。今年は、水稲株位置を求めたので株ごとに倒伏リスク診断を行いました(全部で約5.1万株)。赤色は倒伏リスクの高い株で、青色はリスクが低い株になります。

 

2016倒伏リスク診断

倒伏リスク診断マップ

20160829

冠水後に撮影したオルソ画像

(稲の色が若干変化しているところが倒伏している箇所)

スライドバーを動すと、倒伏リスクが高い場所と実際に倒伏してしまった場所の対応が確認できます。

今年の稲刈りは9月10~11日を予定しております。まだ、1週間ちょっとの時間があります。それまでの間に、さらに倒伏が進まないことを祈るばかりです。