水稲株の位置抽出
今日は週一でモニタリングを行っている画像データから水稲株の位置抽出について紹介します。
稲が生長すると、田植機で移植できなかった欠損場所が上空からのモニタリングではっきり分かるようになります。畦畔から内側の欠損場所を特定するのは,ちょっと難しいです。
今回は移植してから28日後の近赤外オルソ画像を使用しました。
近赤外の波長帯は、植生からの反射率が高くなる特性があります。下の写真は地上から撮影した近赤外画像です。植生がある場所は白くなります。
私はいかに安く、価値の高いモニタリングができるかということを基本コンセプにしているので、近赤外カメラは中古のコンデジを2~3万円で購入して改造しました。
まぁ、墜落して壊れても諦めがつく値段です。
地上から撮影した近赤外画像(植生がある場所は白くなります)
改造した近赤外カメラ(Canon S110)
今回試した解析方法
先行研究では、テンプレートマッチングを用いて移植水稲の株位置を推定する研究例があります(リンク先)。今回は、あまり難しい処理をするのではなく、GISの機能を使って位置を抽出してみました。
1)近赤外オルソ画像にローパスフィルタ処理を施して、ノイズを除去する。
2)ノイズ除去した近赤外オルソ画像にフォーカル統計(指定した近傍内の統計情報を計算)を行う。
3)ラスタ-ベクタ変換で、水稲株をポリゴン化する。それ以外のポリゴンデータを削除する.
4)ポリゴンの重心点を求めて、ポイントデータに変換する.
その結果、圃場内の株数は約5.1万株と求めることができました.