スマート農業
日本の農業は生産者の高齢化および熟練生産者の引退によるノウハウの喪失、少子化による後継者不足の深刻化などが懸念されています。こうした状況の解決策の一つとして、農業用ロボットやICT技術などを駆使した「スマート農業」の導入が各地で進み始め、年々市場規模は拡大しています。
これまでは生産者の「勘と経験」が作物を栽培する上で重要なウェイトを占めていました。しかし、近年では様々なデジタル機器を活用したモニタリングを行うことで、作物の生育状況を数値化することができ、新規就農者でも生育状況をわかるようになりました。これによって作物の生育状態をきめ細かく管理することが可能となり、収量及び品質の向上をもたらすことができるのです。
ゼミでは、実際の圃場を用いて水稲栽培を行い、
ドローンなどを用いてスマート農業に関する研究をしていきます。
ドローン水稲モニタリング
ドローン導入による収量・食味の経年変化
埼玉県坂戸市北部の水田を※試験サイトとして、2014~2021年の現在までドローンを用いた水稲の生育モニタリングを実施しています。モニタリングは、田植から収穫までの期間を週一回の頻度です。上図は、2014~2021年までの収量と食味(タンパク質含有量)の結果を示しています。ドローン導入の2014年から比較すると、収量・食味ともに向上していることがわかります。
※試験サイトの大きさは32.5a(短辺37m,長辺88m)→ 本州における平均的な圃場の大きさと同程度
観測機器なければ自作
世界には、様々なドローンが市販されています。高価なドローンもありますが、ドローンの仕組みは意外と簡単な構造になっています。仕組みを知ることでドローンを自作することも簡単です。自作すれば、市販の1/4程度のコストで作ることができます。
※ゼミでは観測装置がない場合は自作することもあります。工作などに興味のある学生も歓迎します。
収量予測
収量予測マップ(2020)
ドローンによる上空からのモニタリングによって、精度の高い水稲の生産管理を行うことができます。上図は2020年の収量予測マップです。刈取りの約1.5か月前には、おおよその収量を予測できます。この年の予測は1464 kg(474kg/10a)で、実際の収穫量は1491 kg(483kg/10a)と誤差約1.8%と精確に予測できました。
注目されているスマート農業
日経産業新聞 | 農業共済新聞 | どろーん米販売中 |
ドローンによる水稲モニタリングの分野では、まだ課題も多くあります。そのため、国内各地で実証実験が進められており、注目されている分野でもあります。
スライド資料
興味のある学生のみなさん、一緒に研究しましょう!!