Month: 5月 2018

論文賞受賞

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2014年に実施したモニタリング結果をまとめた「田中・近藤(2016):小型マルチコプターを用いた近接リモートセンシングによる水稲生育マップ作成」が日本リモートセンシング学会の論文賞を受賞しました。この研究が評価されたことは、大変うれしく思います。

 

2014年はモニタリング1年目ということもあり手探りな状態でしたが、自分のタイミングで上空から得られる情報に大きな可能性を感じました。現在は、モニタリング5年目ということもあって様々な問題点を改善する力もつき、安定した運用ができていると考えています。ただ、栽培に関しては自然の影響を大きく受けるので、わからないことも多々あり、日々勉強といった感じです。そこが農業の楽しさでもあるかもしれません。

ドローン水稲モニタリングを論文としてまとめるのがゴールではなく、モニタリングを長年継続して情報を蓄積することが美味しいお米の栽培につながると考えているので、これからも引き続き、頑張っていきます!!


代かき(2018年)

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4月に圃場の凹凸を計測した結果、概ね均平化されていることがわかったので、今回は代かきによる大幅な土壌の移動は実施しませんでした。そのため、代かきの作業時間は去年の半分ぐらいでした。

代掻きの様子(2018年5月14日撮影)

 

トラクターを運転していると、どこからか小さい鳥(ムクドリやハクセキレイなど)たちが飛来してきます。この小鳥らは、トラクターが土を耕すことで逃げ出すカエルやミミズなどを捕食しています。それにしても、大きなエンジン音にも驚かずにトラクターの後ろを一緒に歩きながら効率的にエサを取るので、人間の生活環境に慣れていますね。

捕食中のムクドリ

 

ここ数年、5月ぐらいになるとヘリコプターが低空飛行で自宅周辺を通過していきます。写真では遠近感を上手く表現できませんが、突然のヘリコプターの接近は少し驚きます。調べてみると、ヘリコプターによる送電線の点検のため、低空飛行しているそうです。近い将来には、有人ヘリからドローンへ移行していくのでしょうね。

ヘリコプターによる送電線点検

 

 


水漏れ

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水の供給が始まって、試験サイトの給水バルブから少量の水漏れが発生しました・・・。

水漏れトラブル(2018年4月14日撮影)

たまに、管にゴミが詰まってバルブの止弁を完全に締めることができなくなり、水が漏れることもあります。その時は、一旦止弁を開けて、水圧でゴミを取り除いていたのですが、今回は違いました。何度やっても解決せず・・・。

とりあえず、バルブの分解です。

部品の破損やゴムパッキンの劣化

 

バルブを分解してみた結果、止弁が割れていました。原因は経年劣化?、締めすぎによる破損?・・・よくわかりません。とにかく、割れてしまっていたら、水漏れしてしまうのも納得です。応急処置として、自宅にあった癒着テープなどで割れ目を防いでみました。応急処置としての効果はありましたが、数日経ったら水漏れが再発生(修理前より水は減ったのですが)。

 

その場しのぎの対応では無理なので、メーカーから部品を取り寄せました。バルブの名称がわからず、ネット上で探すのに手間取りましたが・・・何とか発見。マサル工業:田畑兼用形給水栓/MH型フィールドバルブ TSタイプ50H-100型

部品到着後、さっそく修理に取り掛かりました(修理時間は約10分)。

部品を取り外したら、水が勢いよく噴出

 

部品を交換して、水漏れは解決。

修理完了

 

これで中干しもきっちり行えます。

 


田植え機点検

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田植え機は、年に1日だけの使用ですが、この機械が動かないと短時間で移植するのは不可能になります。

例年、代掻きを行う前のGW中に点検を実施しています。
使用後は念入りに洗車しているので、泥による駆動系のトラブルの心配はないのですが・・・。

心配していたバッテリーによるトラブルが発生してしまいました。年に1日しかエンジンをかけないので、スターターが起動せず、バッテリーがあがってしまっていました。
きちんとバッテリーメンテナンスをすればいいのですが、ついついサボってしまったのがいけません。

画面左下側(フタが開いた状態)に写っているのがバッテリー

 

自動車のバッテリーを連結して、エンジンをかければいいのですが、今回は家庭用コンセントから充電できる機器で行ないました。

1時間ほど充電したら、エンジンは起動しました。そのあとは、バッテリーを回復させるために1時間のアイドリングで点検は終了です。

バッテリー充電器(家庭コンセント用)

 


水稲株位置抽出(QGIS)

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水稲株の位置抽出は、移植後1ヶ月の状態(草丈35cm程度)がデータ取得のベストとなります(株間によってベストな草丈は変わります)。草丈が低いと上空から撮影しても、苗が明確に撮影できないため、株位置の抽出は難しくなります。一方、草丈が高くなると、葉同士が重なってしまい、株位置がわからなくなってしまいます。この作業は、モニタリングのタイミングが一番重要になります。

株位置の抽出方法は、以前の記事(水稲株の位置抽出欠株率)でも紹介しましたが、問い合わせも多かったので、QGISの操作について説明を加えます。※QGISのバージョンによって、説明が若干異なる場合もあります。

 

1) 近赤外カメラ撮影画像の表示

近赤外の波長域は植物からの反射は強く、水面の反射はほとんどないため、苗と水面を明確に判別することができます。

反射特性(引用:JAXA)

 

近赤外オルソ画像

 

近赤外オルソ画像を表示したら、ローパスフィルタ処理を行います。ローパスフィルタは、苗と水面以外に写っているノイズを除去する工程になります。ノイズが少なければ、ローパスフィルタ処理を行わなくても構いません。

 

2) ローパスフィルタ処理

【QGIS】 ビュー > パネル > ツールボックス > GRASS GIS > Raster > r.mapcalc

ローパスフィルタの計算式

 

上図のように、3×3の窓で平滑化していきます。数値を変更することでノイズ除去の程度を変えることができます。

 

3) フォーカル統計(指定した近傍内の統計情報を計算)

【QGIS】 ビュー > パネル > ツールボックス > GRASS GIS > Raster > r.neighbors

フォーカル統計のパラメータ入力画面

 

3) ラスタ-ベクタ変換

【QGIS】 ラスタ > 変換 > ポリゴン化(ラスタのベクタ化)

ラスタ-ベクタ変換

 

※処理時間がかかる場合は、圃場外部分の画像を削除するなど、画像サイズをなるべく小さくしてみてください。

 

4)不要ポリゴンデータの削除

ラスタ-ベクタ変換によって、値ごとにポリゴンデータが作成されます。このポリゴンデータには、水稲株以外も含まれています。そこで、ポリゴンデータのDN値(フォーカル統計の数値)を使って、不要ポリゴンを削除します。このときのDNの閾値は、カメラ種類や撮影条件などによって異なるので、画面を見ながら値を自分で見つけ出してみてください。

黄色が水稲株として選択(DN110以上)したポリゴン、黄緑色はそれ以外のポリゴン

 

5)ポイント化

【QGIS】 ベクタ > ジオメトリツール > ポリゴン重心

ポリゴン(重心) → ポイント

 

ノイズを取り除いた水稲株のポリゴンからそれぞれの重心を求め、その位置を水稲株として扱うことができます。

水稲株位置(赤)

 

この一連の処理は、データサイズが大きいオルソ画像を用いるため、非力なPCだと時間がかかったり、処理途中に落ちることもあります。その場合は、データを分割するなどの工夫が必要となります。