過去
水稲株抽出(2018年)
2016年から始めた水稲株位置の抽出ですが、いろいろ試した結
今回は「Mission Planner」で、クロスの飛行コースを設定
水稲株抽出のための飛行ルート
可視光、近赤外線の両方で撮影を行いましたが、やはり明確に水部
【水稲株位置抽出の手順】
(前準備)近赤外画像から対象とする圃場だけをクリップ(切り抜き)します。この
その後の工程は、ノイズ除去→フォーカル統計→ラスベク変換→重
試験サイト全体の水稲株位置
水稲株抽出の拡大図(水色点:水稲株位置、背景:近赤外オルソ画像)
今年は田植え機の一部の調子が悪いためか、所々で欠株が発生して
参考 :2017年の欠株率マップ
P4pro+テスト飛行
Phantom4pro+を購入された先生の初フライトと機能確
自宅裏の圃場周辺はDID地区外となっているので、申請なしでフ
Phantom4pro+
私のDJI歴は、Phantom1(2013年販売)が初めてになります。安定し
P4のフライト機能はネットなどの情報で知っていましたが、現物のシステムを
モニタリングしているドローンの上空からP4pro+で撮影して
モニタリングしているドローン上空からの撮影
モニタリング中の様子
(追記:2018/07/13)
Phantom4pro+ ではサードパーティのアプリを使うことができません。そのため、地図作成やモニタリングに必要な自律飛行機能が使えないことがわかりました。Phantom4pro+ に標準搭載されている自律飛行の機能は使いづらく、地図作成やモニタリングには不向きでした。Phantom4pro+ でサードパーティのアプリを利用したい場合は、液晶ディスプレイが付いていないプロポを別途購入しなければなりません。プロポをダウングレードすれば、Phantom4pro+ でもサードパーティの自律飛行ツールが使えるみたいです。Phantom4pro+ と Phantom4pro の違いは、プロポに液晶ディスプレイが付いているかの違いです。地図作成やモニタリングなどに使用したいと考えている方は、Phantom4pro がお勧めです。
除草剤散布(2018年)
田植えから1週間程度過ぎると、株間や条間に雑草がちらほらと発芽してきました。
雑草発芽
昨年は雑草に悩まされた圃場もあったので、散布前に圃場内の水位に注意しました。使用している「コメットジャンボ(水稲用一発処理除草剤)」は水溶性の袋に入っているため、水位がある程度ないと、十分な範囲に広がっていきません。昨年は水位が低かったことで、除草剤の効果にばらつきが生じてしまったかもしれません。
散布するには十分な水位
あらかじめ作成した散布地点マップを見ながら、予定地点まで圃場を歩き、散布しました。毎年、圃場内に入って散布しているのですが、せっかくドローンがあるので、これからはドローンによる散布ができないか検討していきます。今年は国土交通省の申請には時間的に間に合いませんでしたが、来年はドローンによるピンポイント投下ができるようにしてみたいです。自作ピンポイント投下機は、そのうち紹介します。
田植え(2018年)
朝6時ぐらいまで雨が降っており、田植えを行うか悩みましたが、7時ぐらいから天気が回復してきたので、試験サイトを含む6反分の田植えを行いました。
今回は米の研究を行なっている濱氏(千葉大)が参加しました。実際に田植えを行い、一連の作業の流れを覚えてもらいました。4条植えの田植機なので、6反だけでも丸一日かかります。
まずは、育苗用のビニールハウスから軽トラに設置した苗箱ラックにどんどん置いていきます。1回の移動で64箱運ぶことができます。以前はベニヤ板を荷台に置いて運搬していたので、何回も圃場とビニールハウスの往復をしなければなりませんでした。苗箱ラックは年に1回の利用ですが、非常に役に立っています。
苗箱の運搬
次に、田植機に苗を乗せる前に、いもち病対策の「ルーチンアドスピノ箱粒剤」を約50(g/箱)をムラなく降っていきます。
ルーチンアドスピノ箱粒剤の散布
準備が整えば、田植えの開始です。昨年は株間を21cmに設定しても収量は減少しなかったので、今年は全ての圃場の株間を21cmに設定しました。植えた直後は見た目がスカスカしているので、周辺の圃場と比べると少し寂しい感じです。今回は全体の半分を濱氏にお願いしました。田植機の操縦が初めてとは思えないくらい上手に植えてもらいました。ありがとう!
田植機初操縦
また、今年は機械植えとは別に、職場でお世話になっている方(どろーん米のお得意様)の家族みなさんで手植え体験を行いました。自分の手で植えたお米は格段においしいと思いますよ。
収穫は9月中旬頃になります( ◠‿◠ )!
【使用農薬】
・ルーチンアドスピノ箱粒剤(育苗箱1箱50g) :6袋
結果:均平精度(2018年)
試験サイトでは、代かきを行った後に泥が沈着するまで待ってから、水を落とし土壌が見える状態になるようにしています。これは、代かき後の圃場を測量するためです。
3年間実施していることもあって、近所の農家さんから不思議がられることもなくなりました。
代かき後のオルソ画像(2018年5月18日撮影)
圃場の北側では、ほんの少し水が残っています。一方、南側(明るく写っている部分)は水が抜けています。圃場にいくつかの線条の跡が残っていますが、これは鳥などの足跡になります。畦畔を超えて、隣の圃場(北側)までつながっています。
水がある程度なくなった状態で、ドローン計測による圃場の均平精度(凹凸の定量化)を求めました。その結果、2018年は均平精度:1.2cm・最大高低差:5.1cmとなりました。過去最高の結果です(といっても5回しかデータはありませんが・・・)。
過去の記事にも書きましたが、移植栽培で目標とする均平精度は標準偏差:1.8cm・最大高低差:9.0cmが目標値となっています(農林水産省)。
下に2016~2018年の代かき後の圃場凹凸マップを示します。
ⅰ) 代かき後の凹凸マップ(2018年)
ⅱ) 代かき後の凹凸マップ(2017年)
ⅲ) 代かき後の凹凸マップ(2016年)
2014~2018年における均平精度の変遷
試験サイトの均平精度は、2014年が標準偏差:2.6cm・最大高低差:10.2cmに対して、2015年は標準偏差:1.8cm・最大高低差:7.5cm、2016年は標準偏差:1.4cm・最大高低差:6.1cmとなり,年々圃場内の高低差は小さくなっています。トラクターの操縦経験を積むことで、
【参考】
2014~2017年までの均平精度と玄米タンパク含有率との関係を、濱ほか(2018):UAVリモートセンシングおよび登熟期の気象データに基づく玄米タンパク含有率推定 にまとめています。
代かき(2018年)
4月に圃場の凹凸を計測した結果、概ね均平化されていることがわかったので、今回は代かきによる大幅な土壌の移動は実施しませんでした。そのため、代かきの作業時間は去年の半分ぐらいでした。
代掻きの様子(2018年5月14日撮影)
トラクターを運転していると、どこからか小さい鳥(ムクドリやハクセキレイなど)たちが飛来してきます。この小鳥らは、トラクターが土を耕すことで逃げ出すカエルやミミズなどを捕食しています。それにしても、大きなエンジン音にも驚かずにトラクターの後ろを一緒に歩きながら効率的にエサを取るので、人間の生活環境に慣れていますね。
捕食中のムクドリ
ここ数年、5月ぐらいになるとヘリコプターが低空飛行で自宅周辺を通過していきます。写真では遠近感を上手く表現できませんが、突然のヘリコプターの接近は少し驚きます。調べてみると、ヘリコプターによる送電線の点検のため、低空飛行しているそうです。近い将来には、有人ヘリからドローンへ移行していくのでしょうね。
ヘリコプターによる送電線点検
水漏れ
水の供給が始まって、
水漏れトラブル(2018年4月14日撮影)
たまに、管に
とりあえず、バルブの分解です。
部品の破損やゴムパッキンの劣化
バルブを分解してみた結果、止水弁が割れていました。
その場しのぎの対応では無理なので、メーカーから部品を取り寄せました。バルブの名称がわからず、ネット上で探すのに手間取りましたが・・・
部品到着後、さっそく修理に取り掛かりました(
部品を取り外したら、水が勢いよく噴出
部品を交換して、水漏れは解決。
修理完了
これで中干しもきっちり行えます。
田植え機点検
田植え機は、年に1日だけの使用ですが、
例年、代掻きを行う前のGW中に点検を実施しています。
使用後は念入りに洗車しているので、
心配していたバッテリーによるトラブルが発生してしまいました。
きちんとバッテリーメンテナンスをすればいいのですが、
画面左下側(フタが開いた状態)に写っているのがバッテリー
自動車のバッテリーを連結して、
1時間ほど充電したら、エンジンは起動しました。そのあとは、バッテリーを回復させるために1時間のアイドリングで点検は終了です。
バッテリー充電器(家庭コンセント用)
育苗箱
1週間前に水に浸した種籾は、夏のような暑さによってハト胸程度まで催芽したので、次は種蒔きの作業に移ります。昨年はこの状態になるまでには10日間かかりました。
ハト胸程度まで催芽した種籾
この状態になったら、水切りを行います。手に種籾が引っ付かいない程度まで乾燥させます。
その間に、育苗箱を準備します。年々、育苗箱の数を減らし、今年は111箱(計算上では101箱ですが、不測の事態に備えて1割追加)になりました。
育苗箱の土を均平にする際には、10mmの深い方を使用
2018年は、2014年と比べると作業量および資材購入をかなり減らすことができました。
記録を見直してみると、当初は育苗箱(予備も含めて)を150箱用意していましたが、2018年では111箱まで減らすことに成功。箱数は移植する際の株間の間隔で決まります。栽培している6反を複数年かけながら、16cm→18cm→21cmのように徐々に広くすることで、箱数を減らしました。結果的には、箱数を減らしても収量は減らず、反対に増加しています。
※株間をいきなり広げるのはなかなか勇気がいるので、時間をかけての変更です。農業は1年1回しか栽培できないので、栽培方法を変えるのはどうしても慎重になります。
育苗箱と収量の関係
培土1袋(20kg)が約800円、種籾(4kg)が約4000円なので、代替りしてから「育苗の準備」だけで約15000円のコストカットです。
さて、育苗箱の準備が整えば、次は播種になります。
ばらまき機の前で準備する子供たち
この作業を効率的に進めるには、最低3人必要です。1人目は回し手,2人目は育苗箱の搬送,3人目は育苗箱の準備です。今年からは長男が回し手として参加しました。貴重な戦力です。
播種後は、ビニールハウスに搬入です。これからは田植え(5月19・20日予定)まで毎日水やりを行い、苗を育てます。
搬入後のビニールハウス内部
*こういった1年に1回の作業だと、手順などを忘れていることが多々あるので、記録を取るのは大切ですね。今回も過去に書いた記事に助けられました。
塩水選 (2018年)
4月中旬の週末は、育苗用ビニールハウスの準備を近所の農家さんと行います。今年も台風による氾濫によって、ビニールハウス内の地面は多くの箇所で凹凸が生じていました。
地面整備
トンボかけで地面の凹凸を均していきます。整備が終われば、ビニールを2重にして敷きつめていきます。
作業終了
最後は、真ん中に苗を運ぶ2輪車が通りやすくするためにロールマットを敷きます。
ビニールハウスの作業後は、種籾の「塩水選」で中身の詰まった良い種子を選別します。例年同様に、塩5kg・水20lを用意して、濃度20%の塩水を作ります。
塩水選&種子消毒セット(2018年:種籾20kg購入)
種籾選別中
【参考】
種籾は少し変わった縫い方(ミシン縫い)のメッシュ袋で届きますが、袋の開け方を知らないと手間取ります。初めての時は手間取りました。このミシン縫いはハサミなどの道具を使わなくても開けることができます。参考までに。
ミシン縫い袋の開け方
手順1:ミシン縫いの袋は、赤糸と白糸で結ばれています。手順2:赤糸を引っ張り、白糸の輪から徐々に抜いていきます。手順3:赤糸を抜いたら、残っている白糸を引っ張って抜きます。手順4:袋を開けることができます。