P4 Multispectral

P4Mによるモニタリング指標の動画撮影

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2020年8月6日にP4M(P4 Multispectral)ファームウェアのバージョンアップがありました。今回のバージョンアップによる主な追加機能は、ライブビュー画像を動画として記録できるところです。

それまでは、P4Mが撮影している画像をiPad上でリアルタイムに表示(RGBやNDVIなど様々なモニタリング指標の選択が可能)するだけでした。そこに、今回は動画として記録できるようになりました。

さっそく、RGB・NDVI・GNDVI・NDREを動画で撮影してみました。※今回のバージョンアップで、表示できるカラーの種類の追加やカラースケールの範囲設定ができるようにもなっています。

 

P4Mによるモニタリング指標の動画撮影

 

動画機能を試した結果、動画でも生育状況の違いを詳細に判断できることを確認できました。また、モニタリングによる解析を行うときには静止画が最適なのですが、現場でのデモやプレゼンの資料作成には静止画にはない動画の魅力を感じました。

 

P4Mの画像解析

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DJIから貸与してもらったP4Mを使って、実際に圃場のモニタリングを始めてみました。
P4Mは、RGBカメラと、ブルー・グリーン・レッド・レッドエッジ・近赤外線の波長帯を撮影できるマルチスペクトルカメラが一体となっています。また、P4Mの機体上部には日照センサーが取り付けられています。

P4M上部に取り付けられている日照センサー(DJI HPより

 

農作物のモニタリングにとって、飛行時の気象条件を把握することは重要です。晴天の場合、撮影する時間によってNDVIが大きく変動します。そのため、モニタリング精度を向上させるためには日照センサーが大切になってきます。

 

実際にP4Mで撮影をすると、JPGファイルと5つのTIFFファイルが生成されます。

DJI_0010.JPG(RGB、1600×1300ピクセル)
DJI_0011.TIF(ブルー(B):450nm±16nm、1600×1300ピクセル)
DJI_0012.TIF(グリーン(G):560nm±16nm、1600×1300ピクセル)
DJI_0013.TIF(レッド(R):650nm±16nm、1600×1300ピクセル)
DJI_0014.TIF(レッドエッジ(RE):730nm±16nm、1600×1300ピクセル)
DJI_0015.TIF(近赤外(NIR):840nm±26nm、1600×1300ピクセル)

※4桁の数字の下1桁(赤太字)で、どの波長帯の画像かわかります。

 

現在(2020/8/7時点)、P4Mの画像に直接対応しているソフトは、DJI TerraPix4Dfields になります。私が使用しているMetashape(旧PhotoScan)はP4Mには現時点では対応していません。

 

よく間違えやすいのが、日照センサーが機体に取り付けられているので、撮影された画像は日照センサーの情報が既に反映されていると思いがちです。しかし、日照センサーの情報はXMPメタデータに記録されているだけなので、P4Mに対応していないMetashapeを利用する場合は事前にこれらのメタデータを用いて補正する必要があります。DJI Terra とPix4Dfields はP4Mに対応しているので、ソフト上で自動的に補正してくれます。

P4MのXMPメタデータは、DJIからP4 Multispectral Image Progressing Guide v1.0 が公開されています。

 

下図は、P4Mで撮影されたTIFFデータをそのままMetashapeに読み込んで作成したオルソ画像(トゥルーカラー)とNDVI画像です。

補正前のオルソ画像(トゥルーカラー)と補正前のNDVI(2020年6月6日撮影)

 

シャッタースピード、ISOなどが変化している画像をそのまま読み込んでいるため、明度の違いが発生しています。さらに、NDVIを計算すると、その影響によって明らかにおかしなマップになってしまいます。

 

次は、XMPメタデータに記録されている日照センサーなどの情報をもとに画像を補正し、Metashape(旧PhotoScan)でオルソ化した画像から計算したNDVIマップを示します。

補正した画像から計算したNDVI

 

補正した画像を用いることで、上図のNDVIマップのおかしな箇所が修正されていることが確認できます。これらの結果から、MetashapeでP4Mの画像を利用する場合は、事前に画像の補正が必要なことがわかります。

 

参考文献

濱 侃・田中 圭・田 寛之・近藤昭彦(2018):ドローンに搭載可能な近赤外カメラの比較と検討:RedEdge とYubaflex,日本リモートセンシング学会誌,38(5),pp.451-457.

 

Phantom プロポ

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P4MのフライトにはiPad専用アプリのGS Pro(DJI)が必要になります。そのため、手元にあるiPad Pro(10.5インチ)にインストールしました。P4Mのプロポには、モバイルデバイスを設置できるホルダーが付いているので、そこにiPadを取り付けます。

ところが、ここで問題が発生しました

モバイルデバイスホルダーの最大幅が170 mm までとなっていました。iPad Proの幅は174.1 mm とわずかばかりオーバーしています。ちょっと力を入れて取り付けるとギリギリ入ります。しかし、毎回この作業をするのはプロポにも負担がかかってしまいます。

ネットで調べてみると、拡張マウントというアイディア商品がありました。世の中、同じように困っている人がいるみたいです。さっそく、Amazon(送料無料で899円)で購入しました。中国から配送するとのことで商品到着まで約2週間かかりました。

拡張マウント

中国から直接届く商品は、だいたい箱が潰れてきます。中身はプラスチックの塊なのですが、大きいiPadユーザには便利な商品です。

拡張マウント・iPad Proを装着したプロポ

 

これで、プロポの負担やデバイスを取り付けるわずらわしさもなくなりました。

 

P4M(P4 Multispectral)

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今年のモニタリングには、新たなドローンを投入することができました。
モニタリング界隈で話題となっているDJIのP4M(P4 Multispectral)です。

P4 Multispectral(DJIから貸与)

 

DJIと共同研究ということで、P4Mを貸与していただくことになりました。
P4MのフライトにはiPadおよび無償アプリのGS Pro(一部機能は有償)が必要で、アプリ上で事前にコースやカメラのパラメータなど細かい設定ができます。

まずは、それぞれのセンサー(自作の近赤外カメラYubaflex、P4M、地上センサ)の特徴を把握したいと思います。