散布
除草剤散布(2020年)
試験サイトでは初期除草剤「コメットジャンボ」を散布しています。経験上、圃場内を深水(水位8cm程度)にして、無風or微風状態が散布後数時間続く状態で散布すると処理層がきちんと形成されて効果が高まります。今までの失敗例は、天気を読み間違えて、散布後に強風が発生して除草剤が偏ってしまった。藻(アオミドロ)をきちんと取り除かずに散布してしまったので、藻に除草剤が付着してしまった・・・など。こういうときは例外なく雑草が大量に発生します。圃場内の雑草を人間の手で取るのはかなりの労力が必要というか・・・あまりに多すぎると挫折してしまいます。
コメットジャンボ散布後の様子
(白い点は水面上を拡散するコメットジャンボ、緑色は雑草と藻)
2019年:本田防除(殺菌)
毎年、出穂前にいもち病予防の消毒を行います。今年は梅雨の長雨が続き、冷
まだ気温が高くならない朝から散布を実施しようと準備していたところ、突如複数の車や人が試験サイトの裏にある橋に集まり始めました。普段は全く人通りのない場所なので、何事かと近所の人に聞いたら映画の撮影?とのことでした。動噴のエンジン音は大きいため、撮影に迷惑をかけてはいけないと思い、撮影が終わるのを待ちました。関係者の方から
撮影準備の様子
撮影も終わり、散布を始めましたが、問題も発生。今年は中干しが
除草剤散布(2019年)
初期除草剤「コメットジャンボ」を散布しました。散布といっても、30gに小分けにされた水溶性の袋を圃場に向けて投げ入れるだけです。
田植えから2週間、何もしないと条間・株間に雑草が目立ってきます。去年は例年より早く田植えから1週間ほどで雑草が発芽したので、除草剤も早めに投下しました。
コメットジャンボを投げ入れるにあたって、事前にすることは水位を5~6cmぐらい高くします。以前、水位が若干低い状態で投下したため、除草剤の効果を最大限高めることができませんでした。また、風が強い日の投下することも効果を低くすることの要因であることを身を持って経験しました。2017年はこれらの要因が重なったためか、雑草(イヌビエ、クサネムなど)取りで本当に苦労しました。
このような経験を踏まえて、1時間ごとの天気予報を判断材料に投下日時を検討しました。この時期は夕方から朝までは比較的無風な状態が続くことが多いので、3枚あるうちの2枚の圃場では夕方から散布しました。
コメットジャンボの拡散
コメットジャンボは水に入れてから約10秒後に溶け始め、中身の除草剤が放射状に拡散していきます。大体7~8mぐらいの範囲まで広がります。
2018年:本田防除(殺虫)
出穂期を迎えた次の農作業は、カメムシなどの病害虫防除です。カメムシは出穂したコメのデンブンを吸汁します。その結果、そのコメは斑紋のような黒い点がついた玄米となってしまいます。カメムシは緑色で体長も5~6mmなので、緑色の多い圃場内で直接見つけることは困難です。捕まえるためには網が必要です。私も圃場内で一度も見つけたことがありません。
この日も最高気温38℃を超える猛暑日になりました。このような状態が続くと・・・高温登熟障害が発生しないか心配になります。
スミチオン乳剤
2018年:本田防除(殺菌)
出穂前に、いもち病対策などの殺菌の防除を行います。出穂3日前ぐらいに散布するのがいいのですが、出穂の予測や散布を行うための時間調整、当日の気象条件など考えるといろいろ大変です。
現場で普及しているイネの出穂を推定する方法として、幼穂長を測る方法があります。まず、圃場内の平均的な草丈の株を選択し、最も長い茎を根元から取ります。次に、取った茎はカッターで半分に切っていきます。そして、茎の中にある幼穂の長さを測ります。
イネの幼穂の長さは12.5cm(2018年7月22日撮影)
既往研究から幼穂長と出穂前日数の関係はまとめられています(星川 1975)。
穂の発達過程と日数および外部形態との関係
出穂前日数 | 幼穂長:cm | 発達過程・外形 |
26 | 0.1 | 幼穂形成期 |
20 | 0.2 | |
18 | 0.8~1.5 | 止葉抽出 |
12 | 8 | 減数分裂期 |
6 | 19.5 | 穂ばらみ始め |
4 | 20.5 | |
2~1 | 22 | |
0 | 22 | 出穂 |
文献:星川清親(1975)イネの生長.農文協.
幼穂の長さと出穂前日数の関係(表の数値をグラフ化)
幼穂長の測定結果から出穂期は7月31日前後になると予想できます。
出穂が予想できれば、次は防除です。初めて操作するときは2人で行っていましたが、慣れてくると1人でもできるようになりました。ただ、ラジコン付動力噴霧器でないとかなり大変です。ラジコン付きといってもホースの送り出しと巻き取りが遠隔操作できるものです。遠隔操作ができることによって、重いホースを1人でも出したり、巻いたりすることができます。
また、防除は風が弱くて雨が降らない日に行うので熱中症対策が必須になります。身体にかからないように雨具などで防備しながら行うため、尋常ではない暑さとの戦いです。当日の最高気温は38℃まで上昇したため、いつもより重労働でした。
熱中症対策(ガンガンに冷やした水とクーラーを効かせた車内で休憩)
除草剤散布(2018年)
田植えから1週間程度過ぎると、株間や条間に雑草がちらほらと発芽してきました。
雑草発芽
昨年は雑草に悩まされた圃場もあったので、散布前に圃場内の水位に注意しました。使用している「コメットジャンボ(水稲用一発処理除草剤)」は水溶性の袋に入っているため、水位がある程度ないと、十分な範囲に広がっていきません。昨年は水位が低かったことで、除草剤の効果にばらつきが生じてしまったかもしれません。
散布するには十分な水位
あらかじめ作成した散布地点マップを見ながら、予定地点まで圃場を歩き、散布しました。毎年、圃場内に入って散布しているのですが、せっかくドローンがあるので、これからはドローンによる散布ができないか検討していきます。今年は国土交通省の申請には時間的に間に合いませんでしたが、来年はドローンによるピンポイント投下ができるようにしてみたいです。自作ピンポイント投下機は、そのうち紹介します。
2017年:本田防除(殺虫)
7月29日の散布に続いて、今回はカメムシ類などの病害虫防除を目的とした散布になります。
今までは妻に貴重な助っ人として手伝ってもらっていましたが、日程の調整が難しく、結果として一人だけで初めての散布を実施しました。一連の流れは頭に入っていますが、100m先までホースを引っ張る・散布後のホースの清掃など全部一人で行うには今まで以上に時間がかかってしまいました。あと、体力的にも疲れます…。
スミチオン乳剤
2017年:本田防除(殺菌)
事前に予定したスケジュールの調整が難しく、穂の一部が既に出穂してしまった状態でいもち病、紋枯れ病や内頴褐変病等に対する防除を行いました。本来なら、出穂直前に予防散布を行うのがベストなのですが・・・まだまだ天候を読む力が足りません。
また、防除を行った日は曇天で、夕方から小雨の予報だったので、少しでも早く乾燥させるために早朝から実施しました。
土日が農作業のメインになる兼業農家にとって、イネの生育状況や天候に合わせて動けないのはツライところです。
年に2回使用する動噴(自走式ラジコン動力噴霧機)
昨年は初めて散布を行ったため、機械の設定やホースの扱い方に悩まされたのですが、今年は昨年の経験も活かして、自分なりに手際よく散布を行えました。
散布の様子
次の動噴使用は、カメムシ類の防除になります。
ノンブラスフロアブル
除草剤散布(2017年)
コメットジャンボが溶解し、除草剤が周囲に散布される様子
今年は昨年の反省も活かして、風が弱くなる日まで待ってから除草剤を散布しました。散布後は、除草の効果を高めるために、1週間は落水しないように水管理を行っていきます。
株間・条間に発芽した雑草
【使用農薬】
・コメットジャンボ(1反あたり300g:1袋)
除草剤
散布予定マップと除草剤
本田防除(殺虫)
今年度、2度目の動噴による本田防除です。
今日は、カメムシ類の防除になります。散布は出穂7日後に行いました。
2度目の散布ということもあって、前回の反省(加圧設定やホースの扱い方)を活かすことができました。
手元のホースの遠隔操作をしながら、動噴散布の様子
散布後の稲