すき込み
雑草種子焼却とすき込み
2017年はタイヌビエなどを中心とする雑草に悩まされました。
ドローン水稲モニタリングを行っていない圃場において、雑草が広い範囲で生えてしまいました。農薬による除草も選択肢にあったのですが、なるべく農薬を使わない方針なので、家族・親戚を動員しての人海戦術で雑草取りを行いました。それでも、雑草の生長はすごく、除草が間に合わないぐらいでした…。そのため、大量の雑草種子が地面に落ちてしまいました。
近所のベテラン農家さんに聞いたところ、地面に落ちた種子は10年ぐらい経過しても、条件が整えば発芽するという情報を得ました。ネットで検索すると、農研機構の研究成果には、タイヌビエの種子は埋土しても数年間は高い生存率を維持するとありました。10年過ぎても死滅しないとのことです(農研機構(2004):耕土下層における主要水田一年生雑草種子の生存期間)。
大量に落下した雑草種子を、何もしない状態で「すき込み」を行うのは、次年度以降の栽培に影響があると思われるので、草焼きバーナーで種子焼却を試みました。そのために、新富士バーナーの「草焼バーナーPro KB-300」を購入しました(約1.8万円)。このバーナーの燃料は灯油で、1回の給油で1時間ぐらい燃焼できます。予想以上の火力で地面に落ちた雑草種子は、パチパチ音を出して焼却できました。
草焼きバーナーによる雑草種子焼却
なお、ドローンを用いてモニタリングを行っている試験サイトにも多少雑草が生えましたが、こちらはなんとか人力で除草することができる量でした(それでも2日間程度を雑草取りに費やしました)。同じように栽培していても、これだけ状況が異なるとは・・・要因は水位の管理の違いかもしれません。
雑草の除草が終わった圃場から、稲藁の「すき込み」を行いました(先日の氾濫によって多くの稲藁は流れてしまいましたが・・・)。
トラクターによるすき込み
この時期は、航空自衛隊の「入間航空祭」があります。ちょうど自宅周辺の上空が旋回する場所にあたるので、低空飛行するC-1輸送機やU-4支援機などをトラクターに乗りながら見学しました。
編隊を組むC-1輸送機
すき込み
2016年の水稲栽培も終わり、来年に向けて、まず稲藁の「すき込み」を実施しました。
私が農作業に従事する以前は、収穫後に稲藁・籾殻を焼却していました。その当時は、まだ野焼きについても許容されていましたが・・・。
現在、稲藁・籾殻は圃場の地力を高めるなど重要な土づくりの資源になるので、気温がまだ高いこの時期に「すき込み」を行います。
稲刈りから1ケ月経つと、稲孫(ひつじ)から再び穂が形成されていました。
トラクターによるすき込み(緑色の部分がイネの稲孫)
昨年は、地元のカントリーエレベータから籾殻約1800kg(10aあたり約300kg;トラック6往復分)を無償でもらい、土づくりの強化に努めました。
※雨によって土がぬかるんでしまい、トラックで圃場内に運搬できませんでした。そのため、リヤカーに籾殻を乗せて、人力で圃場全体に万遍なく散布しました。
頭の中では、大したことのない作業だと思い込んでいましたが...これが意外と重労働で数日間かかってしまいました...。
今年は、稲藁+収穫分の籾殻で「すき込み」を行ったので、昨年ほどの苦労はありません。
土壌中で分解されるまでは、しばらく時間(約3~4年)がかかりますが、長期的にみた地力の向上には必要な作業です。
すき込み後の様子
土壌中の有機物の分解を促す(空気に触れる表面積を大きくする)ために、なるべく大きな土塊になるように耕します。
作業メモ:PTO1速、走行速度0.5km/h