2020年栽培

種蒔き(2020)

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今年は種籾を浸種してからハト胸程度に催芽するまでに11日間かかりました。平年より温度が低い日が続いたのが影響したかも知れません。2016年からの記録している催芽までの日数と積算温度の関係でも、2020年は催芽まで時間がかかっています。ここで使用している積算温度は最寄りのアメダス地点(鳩山)の日平均気温を採用しており,水温ではありません。

 

表 催芽までの日数と積算温度の関係

栽培年20162017201820192020Ave
積算温度(℃・day)129.3126.1119.5101.4124.5120.2
催芽までの日数118.6
水の交換毎日毎日中2日中3日中2日

 

5年間の記録から日平均気温を用いた催芽(コシヒカリ)までの目安となる積算温度は120℃・day前後ではないかと考えられます。

種籾をブルーシートの上に置いて数時間乾燥させたら、育苗箱に種を蒔いていきます。2019年は106箱まで減らしたのですが、実際に移植するとギリギリの枚数となってしまいました。そのため、今年は2018年時の111箱分を用意しました。

 

育苗箱と収量の関係

 

今年の田植えは5月16日前後になりそうです。

 

ビニールハウスでドローン

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令和元年東日本台風(台風19号)による被災で多くの農機具が使用不能になってしまいましたが、国・県・市による補助金のおかげで今年の水稲栽培もできるようになりました。感謝です。ありがとうございます。

4月に入り、この地域の多くの農家さんが動き始めました。

私のところでは、まずは育苗用のビニールハウスの準備からです。昨年の台風による洪水によって,ハウス内の地面には、いたる所で凹凸が生じてしまいました。

昨年の反省から今年は、事前にビニールハウス内の凹凸マップを作成してみました。ポールカメラとドローンの両方で凹凸マップを作成しましたが、今回はドローンの方法を紹介します。大型ドローンではハウス内の飛行は危険ですが、今回は昨年発売された200g未満機ドローン「Mavic Mini(DJI)」を使いました。東京で積雪があった日でもMavic Miniによるハウス内の撮影は問題ありません。プロペラガードも付いているので、安心して飛ばせます。

Mavic Miniでハウス内をインターバル2秒で空撮

 

撮影した画像はSfM-MVS技術を用いて3Dモデルにします。さらに、このデータからビニールハウス内の高低差をcm単位で可視化できるので、この凹凸マップをベースに均平化を行います。ハウス内に重機を入れることは難しいので、トンボ・シャベルによる手作業で整地にします。マップがあるだけで均平作業も効率的に実施できます。

ドローンによるビニールハウス内の均平化

 

凹凸マップ(DSMの色は1cmごとに設定)

 

育苗用のビニールハウスの整地後は、種籾の塩水選・消毒(24時間薬液漬)です。濃度20%(約比重1.13)の塩水を種籾を投入し、実がつまった種子だけを選別します。選別した種籾を浸種し、約1週間後に種蒔きです。さらに1カ月後には田植えになりますが、それまでにコロナ禍が収束することを祈ります。

塩水で浮いている種子(この種子は移植には使いません)

 

【塩水選】

・種籾(16kg)、バケツ(40L)、塩(5kg)、ザル

 

【使用農薬】

・テクリードCフロアブル(1成分):殺菌剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤200ml)

・スミチオン乳剤(1成分):殺虫剤 (種籾20kgに対して、水40l・薬剤40ml)