見学・セミナー

セミナー:ドローンの農業活用

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あけましておめでとうございます。

2018年がみなさまにとりまして素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

昨年3月に実施したドローンを用いた水稲モニタリングのセミナーですが、今年も実施することになりました。

昨年は多くの方々に参加していただき、ありがとうございました。また、様々な意見交換ができ、有意義なセミナーでした。

今年も昨年同様に質疑+休憩を含めて4時間のセミナーとなります。2014年から4年間の成果、モニタリングの運用方法やドローン・カメラの自作・改造など幅広く講義する予定です。

【日時】:2018年3月12日(月) 12:30-16:30
【場所】:東京・大田区産業プラザ(PiO)6階D会議室
【題目】:ドローンの農業活用とセンシング・モニタリング技術

詳細は以下から(情報機構HP)
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC170369.php

農林水産省フォーラム

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農林水産省で「第23回病害虫防除フォーラム~農林水産業におけるドローンの利活用推進について~」があり、日本の農業用ドローンの現状を知るために参加してきました。事務局の情報では300名近くの人が参加したそうです。

フォーラムでは、主にドローンによる農薬散布や現在の農薬散布に伴う制度面の話がメインでした。以前書いた記事にもありますが、現在の農薬散布はドローンを操縦するオペレータとドローンを監視するナビゲータが必要になり、最低でも2人以上は必要になります。また、操縦は目視による手動操縦です。ただし、2017年9月からは50mの飛行範囲が150mに緩和されました。行政側からの説明では、来年から自律飛行による散布ができないか検討しているとありました。自律飛行ができれば、ドローンによる散布の効率が飛躍的に向上すると期待できます。

私が興味がある生育状況の紹介もありましたが、発表数が多いためか、一つ一つの発表時間が短く,もう少し長いとよかったなぁと思いました。

UAVリモートセンシングにおける技術的問題は、センシングで重要となるカメラの標準化がされていないことです。

現在、各メーカから様々なカメラが販売されていますが、これぞというのはありません。今後の日本農業の戦略的にもドローンに搭載できる標準化カメラは必要です。例えば、SPAD(コニカミノルタ社)のような機器は、生育状況を定量的に計測できるため、国内外を問わず利用されています。

私が使用している改造近赤外線カメラは、他社のカメラと異なるため、撮影した数値をそのまま比較することはできません。そのため、議論するには変換式を作らないといけません。地域的な生育状況の差や品種による違いなど議論するには、カメラを統一する必要があります。

数年前からドローンに搭載できるマルチスペクトルカメラ「Sequoia」や「RedEdge」が登場しました。撮影時に入射光も記録するため、業界標準のカメラになるかと思いましたが、実際はシャッタースピードを変化させて撮影しているため、経時的に撮影するモニタリングカメラとしては・・・やや疑問が残る結果です。調査結果はこちら(千葉大:濱氏)。

現在、国が実施している「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の次世代農林水産業創造技術(アグリイノベーション創出)の一環で、零細農家でも購入できるぐらいの低コスト(SPADの販売価格ぐらい)な標準化カメラが開発されるのを強く期待します。

 

果樹

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先日のセミナーで果樹のせん定が重要だということを知りました。

果樹のせん定は、日当たりや風通しをよくすることで病気の発生を防ぎ、収量や品質の安定性を確保する大切な技術です

ただし、せん定は誰もがすぐにできる作業ではありません。まずは、ベテラン農家さんのせん定技術を見ることから始まります。

 

今回はSfM-MVS技術でイチジクの樹(自宅近くにある)を3Dモデルにすることができるか試してみました。

 

自宅近くにあるイチジクの樹

ドローンを用いた上空からの撮影及びポールカメラ撮影ではなく、地上から樹を中心に撮影を行いました。

今までの経験から、細い枝等はモデルにならないと思っていましたが、意外と上手く作成することができたのに驚きです。

撮影位置の特定とモデル

イチジクの樹の点群データ

どのぐらい細い枝まで対応できるかは今後の課題です。また、果樹に適した撮影方法を見つけないといけないかもしれません。

画像をクリックすると別サイトが開きます。

将来的には高精度の果樹の構造モデルを3Dプリンターで出力することで、新規就農者はせん定の技術を磨くことができると思います。さらに、着色できる3Dプリンターを利用することで、ベテラン農家さんが持つ高度なノウハウをより習得しやすくなるかもしれません。

大館:東光鉄工

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私の農閑期は、講演や見学などでドローン農業の情報取集や人脈を広げる時期になっています。

先日、秋田県大館市に本社がある東光鉄工で開催された「農林水産業ドローン研究開発コンソーシアム」に、外部オブザーバーとして参加してきました。

 

大館駅

自宅からは大宮~新青森~大館ルートで約5時間です。

 

この事業は、秋田県からの委託で実施されています。秋田県ではドローン特区なども設置されているので、ドローン産業に非常に力を入れていることが伺えます。

東光鉄工は農薬散布ドローン(農林水産航空協会認定)をはじめ、機体製造や空撮等のサービスを提供している日本のドローン産業の中では名の通った会社になります。

 

本年度の最後となったコンソーシアムでは、水稲・果樹・牧草のモニタリングや農薬散布ドローンの自律散布飛行の開発状況について報告がありました。

現在、農薬散布ドローンの自律散布飛行は禁止されています。市販されているドローンの飛行精度がm単位であるため、自律散布飛行の禁止は仕方がありません。誤って隣の圃場に農薬を散布しないようにするためにも高精度に位置を把握する技術を導入しないといけません。このような技術が確立すれば、近いうち(数年の間)に規制緩和されるのではないかと思います。

今回報告のあった東光鉄工の次世代農薬散布ドローンは、既にcm単位で自律飛行できるような機体・ソフトウェアが開発されているのに驚きました。ドローン(自律飛行)の離着陸地点が数十㎝ずれるという課題があり、これを数㎝までにするとのことで開発者の意気込みを感じました。

ちなみに、私が実施しているモニタリングではm単位で十分です。

 

A.H おめでとう!!

宮城県古川農業試験場

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ブログを通して依頼があった宮城県古川農業試験場でモニタリングの講演とドローンの実演を行いました。

今回は、普及指導員として活躍されているプロの方々の前での講演でしたので、緊張しました。
ドローンの実演は、あいにくの雨で体育館でのデモフライトとなりました。
(屋内での飛行は初めてだったので、慎重な操縦を心掛けました)

全体を通して、指導員の方々といろいろと意見交換が出来たり、農薬散布ドローン(丸山製作所)の講演もあったので、自分自身とても勉強になりました。

有意義な時間でした。

 

講演の様子

宮城県は、2018年秋から宮城のプレミアムブランド米「だて正夢」(特徴:食味の良さと「もっちり」した粘りの強さ)の販売を予定しているそうです。
全国各地でブランド米の競争が激しくなっていますが、北海道・東北地方は激戦地区となっています。